盛り土1857カ所点検へ 静岡県内130カ所、行政手続きなしか

 静岡県は21日、熱海市伊豆山の大規模土石流を踏まえて国が全国の自治体に要請した盛り土の総点検で1857カ所を対象にすると発表した。許可や届け出などの行政手続きが行われていない可能性のある130カ所が含まれている。関係法令を所管する市町と連携して11月ごろまでに全対象箇所を現地確認し、危険性や違法性がないかを調べる。
 国は8月、土砂災害警戒区域の上流域や山地災害危険地区の集水区域などを重点点検エリアに設定して点検対象の盛り土を報告するよう自治体に求め、県と市町が抽出作業を進めていた。
 130カ所は、国土地理院の2000年ごろと08年以降の地形データを比較し、関係法令の手続きが行われないまま造成された疑いがある地点として抽出した。データに基づく土地改変は標高差5メートル以上、面積3千平方メートル以上を対象にした。
 地形データによる抽出とは別に、関係法令の手続き資料からもエリア内の盛り土を絞り込んだ。砂防3法は計89カ所、宅地造成許可は131カ所、都市計画法に基づく開発許可は178カ所、県土採取等規制条例は306カ所、森林法に基づく林地開発許可は454カ所、農地法・農振法は計383カ所、大規模盛土造成地は182カ所などとなった。
 県の出先機関や市町の職員が今後、対象箇所を1カ所ずつ回って土砂災害防止に必要な水抜きや廃棄物の有無などをチェックする。
 

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞