熱海土石流 堆積土砂の硫黄濃度、環境上問題なし 静大教授分析

 熱海市伊豆山の大規模な土石流に関し、静岡大防災総合センター長の北村晃寿教授(地質学)が24日までに、堆積した土砂の成分の分析結果を明らかにした。堆積物中の硫黄濃度が高いと水質上の問題が生じるが、測定した硫黄濃度は0・2%ほどで、環境対策の観点からは特段の問題は発生しないとした。
 土石流の堆積物を2地点で採取し、堆積物に含まれる有機炭素と窒素、硫黄の3項目の濃度をふじのくに地球環境史ミュージアムの協力で調べた。同じ伊豆山地区で採取した地元の土壌と比べ、全有機炭素濃度は約半分の値、全窒素濃度はほぼ同じ、全硫黄濃度は若干高かった。今後他の化学分析も行い、随時情報を公表する方針。
 北村教授は「今回の土石流のほとんどは盛り土であり、その成分を把握することは健康や環境上の観点で極めて重要。県もさまざまな角度から成分を分析し、公表することが望ましい」と話した。

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