報道陣殺到も川勝知事公務淡々 面会や行事、再調整急ぐ 県職員“厳戒態勢”

 2日に辞意表明した川勝平太知事は3日以降も公務を淡々とこなしている。ただ、静岡県は知事が参加するイベントや面会を予定通りに実施するかどうか、主催者や訪問者側の意向を改めて確認する異例の対応に追われている。知事戦略局などによると、5日までにイベント参加や面会が中止されたケースはなかったが、来週以降はキャンセルの発生など公務に影響が出る可能性もある。

報道機関が見守る中、公務をこなす川勝平太知事(右端)=5日午後、県庁
報道機関が見守る中、公務をこなす川勝平太知事(右端)=5日午後、県庁

 川勝知事は5日、浜松市中区で行われた静岡文化芸術大・大学院の入学式や、静岡県庁での3件の表敬訪問に臨んだ。知事の「不適切な発言」が批判の的になる中、どの公務にも発言をチェックするために7、8社の報道陣が駆け付けた。静岡県は複数の広聴広報課職員を立ち会わせ、厳戒態勢を取ったが、この日の知事は言葉を選んだ「安全運転」で公務を終えた。
 静岡県は今後、内部協議の内容も見直しを図る。知事の在任期間が県議会6月定例会までになるとの見通しを踏まえ、中長期的な方針決定が必要になる案件は極力、後回しにする。一方、早急な決定が必要だったり、引き継ぎが求められたりする案件を優先的に組み入れる。
 職業差別と受け取れる知事の発言内容や辞職表明の余波で、静岡県には2日以降、電話やメールでの苦情が続く。4日間で電話985件、メール1586件の計2571件。即刻辞任や給与・賞与の返上を求める意見が多い。擁護する意見も113件あるという。

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