被害者が語る「SNS投資詐欺」リアルな手口 巧妙な偽アプリ/増える含み益/利率アップ求め入金 静岡市の50代女性

 昨年10月上旬から11月下旬までの間に投資名目で現金約506万円をだまし取られた静岡市在住の個人事業主の50代女性が29日、静岡市葵区で報道機関の取材に応じ、SNS型投資詐欺の手口や被害の実態を語った。

SNS型投資詐欺の手口や被害の実態を語る女性=29日午前10時ごろ、静岡市葵区
SNS型投資詐欺の手口や被害の実態を語る女性=29日午前10時ごろ、静岡市葵区

 女性は、親族の勧めで仮想通貨の投資アプリを使い、チャットで指定された個人名義の口座へ7回に渡り計約522万円を入金した。アプリ上で入金額や含み益が表示される仕組みだったが、偽アプリだった。「毎日金額が増えていく画面を見て心がくすぐられた。元金に応じて利率が上がったり、人数限定の複利ボーナスがあったりして、利率を上げるために入金を重ねてしまった」と話した。
 後に「手数料」「税金」「延滞金」と次々に請求され、詐欺を疑った。約15万円は引き出せたが、残りの500万円余りは戻らず、運用サイトも消えていた。女性は過去にも仮想通貨の投資経験があり「慎重にやっていた」と語る一方で、今回の詐欺の手口は巧妙で見抜けなかったという。
 女性は「実在する正規のアプリや運用サイトとそっくりな仕様に作り込まれており、詐欺と気づけなかった。最初のうちは預けたお金を出金することもできたので、すっかり信用してしまった」と悔やみ、「巧妙な詐欺の実態を知ってもらいたい。年齢は関係なく誰もが被害に遭う可能性がある」と危機感を訴えた。

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