悠然たる翼 越冬のドラマ【TRY!ANGLE】★動画あり★

photo03 冠雪した富士山を望む河口の上空を悠然と舞うミサゴ=11月下旬、静岡市内
 冠雪した富士山を望む河口の上空を数羽の猛禽(もうきん)類が悠然と舞う。体の下面を覆う白い羽毛が冬の青空に映える。秋から春にかけて、静岡市の安倍川河口に飛来するミサゴだ。“魚捕りの名人”とも評され、ダイナミックな狩りを行う。
 ミサゴは上空10~50メートルを水中の魚を探しながら旋回する。ホバリングをしてタイミングを計り、狙いを定めると、一気に急降下を始める。水面が近づくと鋭い4本のかぎ爪がついた太い脚を顔の前まで伸ばし、水中にダイビングして魚を捕らえる。飛び込む際のスピードは時速約130キロと言われている。
 夕暮れ前、鉄塔から迫る影に、河口で羽を休めるウミネコの群れが慌てて飛び立った。ミサゴをはるかにしのぐスピードで急降下するハヤブサだ。急降下する速度は鳥類最速で時速約300キロに達すると言われている。身近な河口では、越冬する鳥たち、獲物を狙う鳥たちの生命をつなぐドラマが繰り広げられている。
 (写真部・二神亨)
photo03 かぎ爪がついた太い脚を伸ばし水中に飛び込むミサゴ=12月上旬、静岡市内
photo03 魚を捕らえ、大きく羽ばたき水中から飛び出すミサゴ=12月上旬、静岡市内
photo03 魚を捕らえ、舞い上がるミサゴ=12月上旬、静岡市内
photo03 ホバリングして水中に飛び込むタイミングを計るミサゴ=11月下旬、静岡市内
photo03 鋭いかぎ爪がついた太い脚を伸ばし、水中に飛び込むミサゴ=12月上旬、静岡市内
photo03 獲物に狙いを定め急降下するミサゴ=11月下旬、静岡市内
photo03 魚を捕らえ、水中から舞い上がるミサゴ=11月下旬、静岡市内
photo03 魚を捕らえ、水中から舞い上がるミサゴ=11月下旬、静岡市内
photo03 両脚のかぎ爪で魚を器用に持ち、河口の上空を舞うミサゴ=11月下旬、静岡市内
photo03 河口の上空を舞う2羽のミサゴ=11月下旬、静岡市内
photo03 ウミネコの群れを追うハヤブサ(中央)=11月下旬、静岡市内
photo03 急降下して獲物を狙うハヤブサ=11月下旬、静岡市内
 ミサゴ タカ目ミサゴ科に属し、全長は雄が54センチ、雌は64センチほど。雌雄同色で体の上面は焦げ茶色の羽毛で覆われている。魚食性の猛禽類で日本全国に分布し、4~7月に断崖のある海岸などで繁殖する。県内では秋から春にかけて、河口や湖、海上などで狩りをする様子が見られる。
 ハヤブサ ハヤブサ目ハヤブサ科に属し、全長は雄が42センチ、雌が49センチほど。雌雄同色で成鳥の体の下面は白く、黒い横しま模様があるのが特徴。昼行性の猛禽類で、上空から急降下し、飛んでいる鳥を脚で蹴落とすような狩りを行う。北海道から九州まで留鳥として生息し、県内では冬季に河川敷や水田などに少数が飛来する。

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