築90年 清水教会題材に授業 静岡理工科大 建築学科学生ら 解体前に歴史や様式学ぶ

 約90年前の完成で、年明けに本格的な解体作業が始まる予定の「カトリック清水教会」(静岡市清水区)の歴史や様式を学ぼうと8日、静岡理工科大(袋井市)の学生が同教会を訪れ、関係者の講義を受けた。

折り紙の鶴をつるした堂内で、塩見さん(右)の説明に耳を傾ける静岡理工科大の学生ら=静岡市清水区のカトリック清水教会
折り紙の鶴をつるした堂内で、塩見さん(右)の説明に耳を傾ける静岡理工科大の学生ら=静岡市清水区のカトリック清水教会

 同大理工学部建築学科の脇坂圭一教授が学生、大学院生ら16人を率いて来訪した。教会の移築に取り組む一般社団法人「カトリック清水教会聖堂を活かす会」の塩見寛理事長が、聖堂の内部に配置された丸柱6本の中に角柱が入っていることなど、設計の特徴を説明した。フランス出身のドラエ神父が私財を投じて1935年に教会を建てた経緯や、太平洋戦争の空襲時に焼け残ったエピソードも紹介した。
 学生らは各所の写真を撮ったり、図面を見たりしながら、明治時代の貴重な建築への理解を深めた。太田美穂さん(2年)は「外観や内部のデザインは西洋的なのに、畳敷きに座る形になっていたり、ステンドグラスに障子の様式が感じられたりする。和洋折衷の設計に驚いた」と話した。

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