精神科病院での虐待なくす方策解説 都内の事件題材 情報公開の重要性強調 静岡で講演会

 精神科病院の情報開示請求を長年行っている東京都地域精神医療業務研究会の木村朋子さんによる講演会が19日、静岡市葵区のアイセル21で行われた。入院患者への暴行や虐待が問題になった東京都八王子市の精神科病院「滝山病院」を題材に、院内の課題や虐待をなくすための方策を解説した。

滝山病院の事件を題材に講演する木村朋子さん=静岡市葵区のアイセル21
滝山病院の事件を題材に講演する木村朋子さん=静岡市葵区のアイセル21

 同病院では入院患者に対する暴行などが今年明るみに出て、看護師らが逮捕された。同会は情報開示で1986年の資料を得た時から滝山病院に着目してきたという。木村さんは、都内の精神科病院の死亡退院率は平均数%である一方、同病院では60%程度と異常に高かったと指摘した。
 ほかにも患者の生活保護率の高さ、地元以外からの患者の多さ、職員に占める非常勤の割合の高さなど滝山病院の特異性を挙げ「東京都に問題を長年指摘してきたが、報道されるまで状況を変えられなかった」と振り返った。「滝山病院は閉鎖性が高く、あるべき姿とはあらゆることが正反対の状況だった」とし、情報公開の重要性を強調した。
 講演会は県内の精神障害者や支援者でつくる自助グループ「心の旅の会」が主催し、会員らが参加した。

 

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