記者コラム「清流」 「集中」問題考え観光 

 コロナ禍で出無精になり、好きだった遠出の旅行に行く機会が減った。ただ、個人的な感覚ではコロナ禍以上に、自粛期以前に出向いた紅葉シーズンの京都での経験の影響が強い。国内外の観光客殺到による混雑と喧騒(けんそう)で、消耗感が募った。
 富士山など風光明媚(めいび)な自然環境や名所旧跡を抱え、全国でも屈指の観光地の本県も、観光客集中が住民生活に負の影響を与える「オーバーツーリズム」の問題と無縁ではない。中国訪日客をはじめ徐々に観光正常化が見込まれる中、今後はいかに集客と持続可能性の両立を重視しながら、印象に残るもてなしを提供できるかが重要だ。
 他の観光地に足を運べば、その地域特有の誘客やサービスの工夫が垣間見え、学びになる。今年の秋はどこかに繰り出したい。
(浜松総局・山本雅子)

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