「伊豆の踊子」の時代 映画で知って 静岡 SPAC公演前に応援企画

 東京大教養学部などの前身の旧制第一高等学校を題材にしたドキュメンタリー映画「籠城」の上映・ディスカッション会が22日夜、静岡市葵区の「コミュニティホール七間町」で開かれた。

上映会を終えて意見交換する小手川さん(右)と多田さん=22日、静岡市葵区のコミュニティホール七間町
上映会を終えて意見交換する小手川さん(右)と多田さん=22日、静岡市葵区のコミュニティホール七間町

 県舞台芸術センター(SPAC)の「伊豆の踊子」が10月7日に初演を迎えるのを前に、原作者の川端康成と物語の主人公が通った旧制一高とその時代背景を理解してもらおうとウェブメディア「ココモンズ」が主催した。
 映画は写真、映像、文献を交えて一高生が残した言葉を反復し、市井との断絶を選ぶ「籠城主義」と呼ばれたエリート意識や苦悩を検証する内容。上映終了後、監督の小手川将さん(29)とSPAC版「伊豆の踊子」の演出家多田淳之介さん(47)が、来場者と意見交換した。
 2人は「『籠城』で描かれた一高生の息苦しさは『伊豆の踊子』につながる」「映画を通じて、一高生に対する(理解の)解像度が高まった」などと話した。多田さんはSPAC版「伊豆の踊子」について、主人公の背景に川端康成の他作品の引用を含むことや、演出に映像を活用していることなどを明らかにした。

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