家康の生涯、大河交え解説 焼津 小和田静大名誉教授が講演

 焼津市歴史民俗資料館は18日、静岡大名誉教授の小和田哲男さんを講師に招き、徳川家康の生涯をテーマにした特別講演会を同市の焼津文化会館で開いた。小和田さんは時代考証を務める大河ドラマ「どうする家康」のエピソードも交え、家康の人間的魅力や先見性について解説した。

徳川家康の生涯をテーマに講演する小和田名誉教授=焼津市三ケ名の焼津文化会館
徳川家康の生涯をテーマに講演する小和田名誉教授=焼津市三ケ名の焼津文化会館

 小和田さんは家康にまつわるエピソードでこれまでの通説と新説を紹介。嫡男信康と正妻の築山殿が命を落とした事件については、信長が家康に2人の処断を命じたことを疑問視し、「家康自らが判断を下した」との説を披露した。
 家康の魅力の一つとして語られる家臣を大事にする点について、それらが形成された出来事として三方ケ原の戦いの大敗北を挙げ、「負けた要因を分析して、人間的な成長に生かした」と分析した。
 会場からの「大御所となって、なぜ拠点を駿府に選んだのか」との質問には、「幼少期に過ごした思い出の地であることなど五つを挙げている」と家康が周囲に語ったとされる史料に基づき答えた。
 16日から同資料館で行われている焼津と家康をテーマにした特別展の関連イベントとして企画。約450人が参加した。

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