静岡人インタビュー「この人」 日本高校野球連盟の育成功労賞を受賞した 栗林俊輔さん(磐田市)
静岡高野球部の前監督として13年間で春夏通算7度の甲子園出場を果たした。初任地は野球部のない清水南高。磐田北高で創部と同時に初代監督に就き、浜松工高を経て2008年に静岡高に着任した。鈴木将平外野手(西武)、村松開人内野手(中日)らプロ5人を育てたほか、東京六大学野球リーグの東大に3人を送り出した。県教委健康体育課勤務。50歳。
![栗林俊輔さん](/news/images/n130/1290917/IP230707TAN000013000_O.jpg)
-表彰をどう受け止めた。
「賞をいただくことは光栄。生徒や全ての野球関係者に野球を通じて自分の方が育てていただいたと実感、感謝している」
-指導者になった経緯は。
「自分が磐田南高3年の夏は1回戦で敗退。負けたことで野球へのこだわりが強くなった。体育の教員を目指して筑波大に入り、2年冬から学生コーチになった。毎日の練習メニューを組んだり、リーグ戦を偵察してデータを取ったりしていた。プレーもしたかったが、100人以上の人数(部員)を動かす役目にもやりがいがあった」
-監督として、野球を通じて教えたかったことは。
「子供たちの『勝ちたい』という思いを旗印にして、人として大事なこと、卒業してから役立つことを伝えてきた。目の前のことを愚直なまでに一生懸命にやっていると、思わぬ成長を感じることがある。子供たちは『踏ん張れば道が開ける』と手応えを感じると、次からは自分でやるようになる」
-県教委に異動して3年目。野球を離れて感じたことは。
「新型コロナウイルス禍でも部活動や学校の授業ができるように、裏で動いてくれている人がいる。監督をしていたころにはそれをリアルにイメージできていなかった。離れてみて分かったことがたくさんある」
(運動部・結城啓子)