静大理学部、人文社会科学部同窓会 旧制静高100年で記念誌

 静岡大理学部、人文社会科学部の同窓会が、両学部の前身である旧制静岡高創立100周年に合わせ、節目を祝う記念誌「知をつなぎ、新たな100年へ」を発刊した。編集委員会担当責任者の水口好美さん(79)=裾野市=は「約2年の作業を通して、歴史の重みを改めて実感した。静大の存在価値とブランド力向上に寄与する一冊になった」と発刊の意義を語った。

記念誌を手にする編集委員の蔭山さん=静岡市駿河区の静岡大静岡キャンパス
記念誌を手にする編集委員の蔭山さん=静岡市駿河区の静岡大静岡キャンパス

 昨年11月に静岡市駿河区で開催した記念式典や、石橋秀一ブリヂストン取締役代表執行役CEOらOBが登壇した座談会「コロナ後の世界、日本~文理融合時代の知を鍛える」の内容を採録。女子学生とOGが女性目線で大学の将来像について意見交換した対談も盛り込んだ。
 旧制静高と各学部の歩みは、時代背景が分かる年表とともに紹介。関東大震災で1年延期した旧制静高開校式や静大文理学部仰秀寮での食事風景などを捉えた貴重な写真、中曽根康弘元首相ら卒業生の寄稿も収めた。
 編集担当の卒業生蔭山ひさ枝さん(43)は「思い出をつづった文面から誇りと熱い思いが伝わってきた」と感慨深げに語った。水口さんは「自由闊達(かったつ)な精神と伝統を次世代に引き継いで」と在学生に期待を込めた。
 記念誌はA4判194ページで、限定3千冊。大学関係者や県内の高校、図書館に寄贈し、希望者には無料配布する。問い合わせは静岡大岳陵会のメールアドレス<dousoukai@adb.shizuoka.ac.jp>へ。
 (教育文化部・柏木かほる)

 <メモ>現在の静岡大人文社会科学部、理学部の前身に当たる旧制静岡高は1922年8月に創立。49年の静大発足に伴い同高のあった静岡市大岩に文理学部が設置された。65年に人文学部、理学部に分離。両学部の卒業生は旧制静高を含め、約4万1500人に上る。

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