「AIで絵本推薦」試験導入 磐田の子育て施設 子どもの読書習慣化を推進

 人工知能(AI)を活用し、子どもに絵本や児童書を推薦するシステム「ぴたりえタッチ」の試験導入が18日、図書館機能を持つ子育て支援施設「ひと・ほんの庭にこっと」(磐田市上新屋)で始まった。図書の貸し出し点数が減少する中、子どもたちに多様な絵本との出合いを増やすとともに、読書を習慣化するきっかけづくりにつなげる。

子どもたちに絵本や児童書を推薦するシステム「ぴたりえタッチ」に触れる子どもたち=磐田市上新屋の子育て支援施設「ひと・ほんの庭にこっと」
子どもたちに絵本や児童書を推薦するシステム「ぴたりえタッチ」に触れる子どもたち=磐田市上新屋の子育て支援施設「ひと・ほんの庭にこっと」

 全国自治体で3例目の導入となる同システムは、未就学児が対象。年齢や好きな色、好きな絵本表紙など、ロボットの質問に沿って画面上で答えると、にこっと所蔵の約3千冊の中から子どもの興味がある絵本・児童書を選んでくれる。
 磐田市は同日、システムを開発したNTTコミュニケーション科学基礎研究所(京都府)などと連携協定を締結。同社協創情報研究部の小林哲生部長は、親による絵本の読み聞かせ頻度が8~9歳時の文章読解力などに影響するデータを紹介した。草地博昭市長は「にこっとを中心として磐田の子どもたちが本に触れる環境をつくることができれば」と期待し、読み聞かせが与える長期的影響に興味を示した。
 市は20日から、同じく協定を結んだNTT印刷(東京都)と共同で、2歳以下の子どもを持つ家庭を対象に「絵本モニター」を募集する。家庭での読書に関するアンケートを実施し、回答者の中から抽選で、子ども自身が主人公になる「パーソナル知育絵本」をNTT印刷から贈る。

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