静岡人インタビュー「この人」 競輪選手としてデビューした 日吉克実さん(伊豆市)

 5日に三重県の四日市競輪場で開かれたルーキーシリーズで、競輪選手としての第一歩を踏み出した。元陸上選手。伊豆・修善寺中時代には、同学年で後に日本人初の100メートル9秒台を記録する桐生祥秀選手らを破り、全中の100メートルと200メートルで2冠に輝いた。28歳。

日吉克実さん
日吉克実さん

 ―競輪に転向した理由は。
 「10歳で陸上を始め、13年間取り組んだ。アキレス腱(けん)を痛めたこともあって引退を決めたが、これまで体を鍛えてきた成果をプロのスポーツ選手として、別の競技で生かしたいと思った。日本競輪選手養成所のある伊豆市で生まれ育ち、競輪は身近な存在だった」
 ―3月に卒業した約10カ月間の養成所生活を振り返ると。
 「陸上をやめた後、伊豆市の修善寺に戻って再出発しようと決意して入所した。きつい練習や不自由なこともあり、もう一度戻りたいかと聞かれれば、戻りたいとは思えないが、一生に一度の貴重な時間、有意義な体験になった」
 ―四日市でのデビュー戦はどうだったか。
 「高校や大学時代の知り合いが応援に駆けつけてくれたが、レース前から緊張していて、何もできないまま終わってしまった。後方からスタートし、前に出ようと思っても無理だった。デビュー戦が最下位(出走7人中7着)だった現状を受け止めたい」
 ―競輪選手としての抱負を。
 「今回は新人同士のレースだったが、7月から本デビューする。まずは本デビューでの完全優勝が目標。将来的にはS級選手になり、静岡県で開かれるG3レースに出場して決勝に残れるようになりたい。自転車競技の経験が浅く、やらなければいけないことはたくさんある」

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