医療的ケア児 就園支援へ 磐田市、訪問看護師の派遣開始

 磐田市は本年度、日常的にたんの吸引などの医療的処置が必要な「医療的ケア児」の就園を支援するため、市内の保育園や幼稚園などに訪問看護師を派遣する取り組みを始めた。医療的ケア児が集団生活を経験する機会を確保し、保護者の負担も軽減する。
 これまでは保護者が園でケアを行うことなどを条件に受け入れていた。市内の訪問看護事業所2カ所と委託契約を結び、看護師が園を訪問してケアを行う体制を整えたことで、市内全ての認可公私立園で医療的ケア児の受け入れを可能にした。看護師の訪問費用は市が負担する。医療器具や薬剤などケアに必要な物品は保護者が用意する。
 市障害者相談支援センターのコーディネーターが保護者からの入園の相談に応じ、病状や健康状態が安定していることなどを確認した上で関係機関との調整を行う。実施できるケアはたんの吸引や導尿、人工肛門の便の処理、インスリンの注入など。
 既に1人が訪問看護を受けながら通園しているという。市こども未来課は「支援が必要な幼児がどれくらいいるかは把握できないが、潜在的な需要はある」とみている。

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