パワハラ疑い17件調査 常葉中・高新体操部巡り 静岡県協会

 常葉大常葉中・高(静岡市葵区)新体操部の顧問をしていた女性教諭が、部員に罵声を浴びせるなどの不適切な指導をしたとされる問題で、県体操協会がハラスメント行為が疑われる計17事案について、教諭と校長に聞き取り調査を行ったことが、1日までに関係者への取材で分かった。県体操協会は4月30日、日本体操協会に調査結果を報告した。
 県体操協会によると、複数の部員から個別に寄せられた相談とは別に、日本体操協会から要請を受けての調査だった。日本スポーツ協会に部の関係者から当該教諭に関する訴えがあり、日本スポーツ協会が内容を確認した結果、事実ならハラスメントに相当する17事案が浮かび上がった。日本スポーツ協会から日本体操協会を通じて県体操協会に調査要請があったという。
 17事案は暴言や罰則に関することが中心。県体操協会は複数の関係者に話を聞いた上で4月上旬、教諭らへの聞き取り調査を実施した。教諭は事実と認める部分もある一方、認識が食い違う部分もあったという。
 関係者によると、教諭は部員を大声で叱ったり罵声を浴びせたりしたほか、罰則として過酷な縄跳びをさせることがあった。こうした指導で過去には脱水症状や過呼吸を引き起こした部員もいたという。2020年6月に同校から厳重注意を受けたが大きな改善は見られず、関係者の指摘で法人本部が内部調査をし、部員1人へのハラスメントが認められて昨年12月に懲戒処分を受けた。
 法人本部によると、教諭は全国高体連の規則に基づき昨年末から1年間、高体連主催大会への参加が停止された。現在は新体操部の指導から外れている。

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