常葉大常葉新体操部パワハラ 静岡県協会、指導内容を調査

 常葉大常葉中・高新体操部顧問の女性教諭が昨年12月に同校法人本部にハラスメント認定を受けた問題で、県体操協会が指導内容やハラスメントの詳細について、独自に調査していることが30日までに、関係者への取材で分かった。協会によると近年、同校の複数の部員から個別に、ハラスメントに関する相談が寄せられていた。
 協会は今回の件について、学校側に必要な情報の共有を求めたが納得できる協力が得られなかった。協会は「1件や2件でなく数件(の訴え)が寄せられている。協会としても何とかしたい」と困惑する。
 関係者によると、顧問は部員を大声で叱ることが頻繁にあり「ばか」「あほ」「おまえはいらない」などの罵声を浴びせることもあった。練習でミスをしたり、体重管理ができなかったりした部員には、長さ約1メートルにした縄で縄跳びをさせる罰を与え、失敗なく連続100回跳ぶのを1セットとして10セット程を跳ばせたこともあった。過去にはこうした罰で脱水症状や過呼吸を起こした部員もいたという。
 同校は2020年6月、不適切な指導について顧問に厳重注意をしたが、大きな改善は見られなかった。関係者の指摘で法人本部は21年6月から内部調査をし、部員1人へのハラスメントを認定して約1年半後に顧問を懲戒処分とした。
 同部は中・高とも全国優勝の経験がある強豪だが、関係者によると近年、退部者が続出。顧問に厳重注意した後も4人が部を離れ、現在部員は5人。
 顧問は育児休暇中で3月中旬に復帰予定。法人本部は「部への復帰時期は反省度合いなどを見て決める」としている。
 協会は復帰後に聞き取り調査を行った上で対応を決める方針。「夢と希望を持って入った部員が辞め、新体操はもうやらないという子もいる。駄目なものは駄目ととらえ改善しなければいけない」としている。

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