車いすバス 利用者支えた45年 県ボラ協「愛輪号」引退

 静岡県ボランティア協会は3月末で、車いす利用者向けのリフト付きバス「愛輪号」の運行事業を終了する。45年前に障害者の社会参画を応援しようとスタートし、年間150件の利用があったが、新型コロナウイルスの影響でここ数年は需要が激減していた。

「お別れ会」で愛輪号を洗車する関係者=静岡市葵区
「お別れ会」で愛輪号を洗車する関係者=静岡市葵区


 3月下旬、静岡市葵区で「お別れ会」が開かれた。運転ボランティアら約25人が参加し、最後の走行や洗車を行って互いの貢献をたたえあった。同協会の小野田全宏理事長は「障害者にとって大変過酷な時代に運行を始め、社会に出る絶好のきっかけを作った」と述べ、協力者の支援に感謝した。
 運行事業は1977年、SBSラジオの25時間生放送での呼びかけで県民から1千万円以上の募金が集まったことが始まり。同協会は企業から駐車場の提供を受けたり、自動車学校で運転ボランティアを育成してもらったりと協力を得て、計6台を運行した。車いす利用団体の研修先への移動支援や、互いを励ます親睦旅行などに使われ、年間4500人を運んだこともあったという。

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