静岡県内移住希望者の受け入れ態勢強化 就業受け皿整備推進を【とうきょうウオッチ/取材ノートから】

 新型コロナウイルス禍でリモートワークが普及し、地方に移住したり、首都圏との「二拠点生活」をしたりする人が増えている。そんな中、認定NPO法人ふるさと回帰支援センター(東京)が移住相談者を対象に調べた2022年の都道府県別移住希望地ランキングでは、静岡県が3年連続となる1位を獲得した。

移住フェアで地域の魅力を発信する市町の担当者=1月、都内
移住フェアで地域の魅力を発信する市町の担当者=1月、都内

 同センターや県によると、20~70代以上の幅広い世代が本県への移住に高い関心を持っているという。観光地の伊豆や、新幹線が停車する三島、富士、静岡、浜松などの評価が高い。首都圏とのアクセスの良さをはじめ、温暖な気候、豊かな自然に恵まれ、子育てしやすい環境にあることが人気の主な理由だろう。
 静岡市はシニア層の相談者が増加した。コロナ禍の行動制限がなくなったことが要因とされ、同市の相談員は「医療や交通が充実している地方都市を希望する傾向がある」と分析する。移住希望者に実際に移住してもらうため、移住フェアなどで本県の魅力をPRしながら、ニーズに応じて受け入れ態勢を強化することが重要だ。
 一方、総務省が1月末に公表した22年の人口移動報告によると、本県は転出者が転入者を上回る「転出超過」が21年より拡大した。県によると、大学進学を機に県外に出る若者が多く、10、20代の転出超過が毎年6千人ほど発生しているという。一度地元を離れた若者をつなぎ留めておく取り組みが欠かせない。県内就業の受け皿の整備を進め、若者が故郷で地域活性化の一翼を担える環境づくりに期待したい。

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