記者コラム「清流」 “お国自慢”が一助に

 「あらこんにちは。ここの人かい?」。旅先に着いて子どもを抱いて散歩していると、地元の高齢女性から声をかけられ、静岡から来たことや子どものことを話した。「親戚のおばちゃん」のような女性の人柄もあってか、この街に一気に親近感が湧いた。
 新型コロナ禍で最近は旅先でも人との接触を避けがちだ。美しい景色を見たり、特産物を食べたりするのも旅の魅力だが、やはり現地の人との交流が地域の雰囲気を直接感じられて面白い。
 ある観光関連企業の代表者は「住民が『自分のまちが好き』という地域は観光客が来る」と分析する。そういえばあの女性も「ここは田舎だけど名物がたくさんあってね」と話が止まらなかった。地元住民の“お国自慢”も観光再興の一助になるはずだ。

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