第31回全日本高校女子サッカー選手権で優勝した 藤枝順心高サッカー部監督・中村翔さん【時の人】

 監督就任は2021年春。選手権5度の優勝に導いた名将・多々良和之前監督の後を受けた。1年目の選手権は4強進出。2度目の挑戦で頂点に立ち「選手たちがよく頑張ってくれた。この結果を得ることができて誇りに思う」。緊張から解放された表情には喜びが満ちていた。

中村翔さん
中村翔さん

 岩手県出身。プレーヤーとしては盛岡商高3年時に全国高校選手権優勝。大学卒業後、教員として11年に藤枝明誠高に赴任しサッカー部で指導者人生が始まった。17年に藤枝順心高に移り、コーチとしてチームを支えた。意識するのは「彼女たちの良さがピッチ上で発揮できること」。その積み重ねが最後に優勝につながればと取り組んできた。
 同じ県勢として高め合ってきた常葉大橘高との2回戦は、懸ける思いが特別に強かった。「橘の存在があるから僕たちも成長できている。切磋琢磨(せっさたくま)し合える関係。(新チームからの直接対決で)一番のいい試合だった」と振り返る。
 選手には優勝の経験を、今後の人生につなげてほしいと強く願う。「(順心での活動が)この先の人生で成果を出すための3年間であってほしい」。歓喜の輪を作る選手一人一人の表情を、温かなまなざしで見守った。
 教員として保健体育、情報を兼務する。週3日は付属幼稚園で、園児に体操やサッカーを教えている。妻と3男1女。焼津市。34歳。

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