不明高齢者、地域で捜索 東伊豆町が訓練 見守り体制探る

 東伊豆町は14日、行方不明になった認知症のお年寄りを地域ぐるみで捜す「高齢者捜索模擬訓練」を町内で実施した。高齢化が顕著な町の現状を踏まえ、見守り体制の確認や拡充の必要性を探った。

行方不明者役の女性に声をかけて保護する従業員=東伊豆町内
行方不明者役の女性に声をかけて保護する従業員=東伊豆町内

 訓練は稲取、奈良本の両地区で行い、町職員や下田署員、住民ら約50人が参加した。各地区で行方不明者役が1人ずつ歩き回り、町はメールやLINE(ライン)で服装などの特徴を発信した。商業施設の従業員が対象者を発見すると、声をかけて町の担当者が到着するまで保護した。
 町は認知症で徘徊(はいかい)する可能性がある高齢者の家族らに向け、靴に貼るステッカーを配って早期発見を図っている。担当の宮原崇敏さん(46)は「不明者がどうしたら気付いてもらえるかが課題。対策を多くの人と共有することが必要」と強調した。
 捜索開始から保護までを想定した実践的な訓練は町では初めて。他地域を含めても珍しいという。
 (松崎支局・太田達也)

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