磐田・敷地川の応急復旧進む 9月中完了目指す 台風15号豪雨災害

 台風15号に伴う豪雨で堤防が決壊した磐田市敷地の敷地川で、応急復旧工事が本格化している。県袋井土木事務所は二次被害を防ぐため、決壊箇所を大型土のうでふさぐ作業を急ぐ。30日の完了を目指す。

堤防の決壊箇所で進められている応急復旧工事=磐田市敷地の敷地川
堤防の決壊箇所で進められている応急復旧工事=磐田市敷地の敷地川

 敷地川の堤防は約80メートルの区間にわたって決壊し、周辺の民家や田畑が浸水被害に見舞われた。同事務所河川改良課によると、約300メートル下流の橋に流木が詰まって川の流れがせき止められたことで越水が発生し、その勢いで堤防が崩れたとみられる。
 周辺では、住民や災害ボランティアらが民家に流れ込んだ土砂の撤去や、浸水した家財道具の後片付けなどに追われている。近くに住む自営業山口智哉さん(63)も自宅が床上20センチまで浸水し、車2台が水没した。現在は川の水位が下がり、川の水は流出していないが、「再び雨が降れば、また浸水してしまう。早く復旧を進めてほしい」と不安を口にした。
 地域住民によると、数年前にも川の増水で決壊箇所付近のコンクリート護岸が損傷したという。40代の会社員男性は「行政に補修を要望していたが、本格的な工事は行われていなかった。しっかり補修していれば、決壊を防げたのでは」と話した。
 (磐田支局・八木敬介)

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