知事とJR東海社長13日会談 「部分開業」で意見伝達か【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事を巡る川勝平太知事と金子慎JR東海社長の約2年3カ月ぶり2回目のトップ会談が13日、県庁で行われる。JR側が8日に申し入れ、急きょ決まった。関係者によると、知事が主張するリニア神奈川県駅(仮称、相模原市)―山梨県駅(同、甲府市)の部分開業や神奈川県内の整備遅れについて、これまで否定的な考えを示してきた金子社長が直接意見を伝えるとみられる。

リニア建設促進期成同盟会加盟後の川勝平太知事の主な発言
リニア建設促進期成同盟会加盟後の川勝平太知事の主な発言

 川勝知事は7月にリニアの沿線自治体でつくる建設促進期成同盟会に加盟した後、「建設促進には各都府県が抱える課題の共有が必要」として本県以外の工事に関する発言を強めてきた。インターネット上では知事の態度や意見に賛否両論がある。県関係者は「JRは想定していない『部分開業』などが独り歩きするのを避けたいのではないか」とみる。
 川勝知事が相模原―甲府間の部分開業に初めて言及したのは8月23日の定例記者会見。同区間に整備されている延長42・8キロの「山梨リニア実験線」に触れ、「2駅間の部分開業が合理的な(リニアの建設)促進方法」とした。ただ、「その可能性を探る」として今月7日に相模原市の工事現場を訪れると、関東車両基地の整備の遅れを指摘。沿線自治体が目標に掲げる品川―名古屋間の2027年開業は「幻想」と切り捨て、部分開業の主張も「できない」と取り下げた。
 JRは知事に会談を申し入れた理由を「直接会ってコミュニケーションを取った方が良いと考えた」(静岡広報室)と説明。ただ、20年6月の前回会談は静岡工区のヤード工事を巡る議論がすれ違い、平行線に終わった。ある関係者は「今回も知事ペースで議論が進むのでは」と会談の成果をいぶかしむ。

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