「家康公ビール」開発 静岡市が支援、「大河」契機に 9月補正予算案

 静岡市は23日、2023年大河ドラマ「どうする家康」の放送を契機とした観光経済の活性化に向け、静岡大や地元醸造所が取り組む地ビール「家康公ビール(仮称)」の商品開発を支援する方針を固めた。23年5月に発売予定で、市内産の酵母を活用するなど製法にこだわり、家康ゆかりの地を全国にアピールする。22年度9月補正予算案に関連経費を計上する。

静岡市役所
静岡市役所

 静岡大の研究組織「発酵とサステナブルな地域社会研究所」が市内の各地に咲く花などから酵母を採取。研究で選抜された酵母を使い、市内醸造所がビール製造を手がける。市や静岡商工会議所、するが企画観光局などでつくる大河ドラマの官民推進協議会がブランド化や販路開拓を担う。
 10月ごろから研究、開発に取りかかり、23年4月ごろから醸造、ビール消費が期待できる夏場を前に販売を開始する。市は同協議会への負担金を3900万円増額する方向。22年度9月補正予算案では一般会計に2千万円を盛り込み、残りを23年度の債務負担行為に設定するとみられる。
 大河ドラマは駿府城(同市葵区)と深い関わりがある徳川家康を主役に描かれる。駿府城公園の周辺エリアでは、22年7月に市歴史博物館がプレオープンし、23年1月には静岡浅間神社内の旧文化財資料館跡に大河ドラマ館が開館する。来訪者の増加が見込まれる中、家康公ビールを看板商品に位置づけて観光需要に対応する。
 (政治部・鈴木文之)

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