静岡人インタビュー「この人」 花井和徳さん 浜松市文化振興財団の代表理事に就任

 浜松市役所に1979年に入り、市立双葉小校長や学校教育部長などを歴任した。2016年に県内で初めて行政職から市教育長となり、21年に退任。長年教育に携わった立場から、文化振興活動に取り組む。6月27日から現職。67歳。

花井和徳
花井和徳

 -就任から1カ月余りが経過した。今の感想は。
 「就任のあいさつでは、人に感動を与えるためには自分も感動できなければいけないと職員に話した。文化芸術は人が人らしく生きるために必要だ。10の施設を所管し、職員がとても熱心。新型コロナの感染対策もあって、イベント運営が大変な中よくやっている。特に若手の可能性に期待したい」
 -浜松の文化的な魅力や課題をどう考えるか。
 「市内三大産業の一つが楽器。修理や調律などで、演奏家に寄り添った支援ができる。浜松国際ピアノコンクールは30年以上続き、出場者には世界で活躍するピアニストもいる。一方、地域の民俗芸能は高齢化で途絶えてしまう恐れがある。保存、存続に向けて、もっと力を注ぐ必要がある」
 -取り組みたいことは。
 「草の根で活動する人材や市民団体の発掘。まだ注目されていない人々を財団全体で支援し、市民レベルで文化を醸成したい。市外から人を呼び込むため、観光や教育など他分野と連携し、新たな魅力を加えたイベント企画などを行いたい」
 -改めて、抱負を。
 「浜松が好きなので、恩返しをしたい。2020年に策定された市の文化振興ビジョンが示す通り、市民の幸せを文化で実現できれば。子どもたちが将来、『浜松で生まれ育ってよかった』と言えるよう、できることをしっかりとやる」
 (浜松総局・日比野都麦)

 

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞