小林陵、最多64度目表彰台 スキー W杯ジャンプ男子 

 【ラハティ(フィンランド)共同】ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子は1日、フィンランドのラハティで個人第23戦(ヒルサイズ=HS130メートル)が行われ、小林陵侑(チームROY)が127メートル、131メートルの合計254・9点で3位に入り、通算64度目の表彰台で葛西紀明(土屋ホーム)の記録を抜いて日本男子の単独最多となった。
 4季ぶりに海外でのW杯に出場した51歳の葛西は38位だった。1回目が117・5メートルで2回目に進めなかった。ロブロ・コス(スロベニア)が262・5点で今季、通算とも2勝目を挙げた。二階堂蓮(日本ビール)は25位、小林潤志郎(雪印メグミルク)は26位。竹内択(チームtaku)は予選落ちした。
葛西が存在感  4季ぶりに戻ってきた舞台でレジェンドが存在感を発揮した。葛西は予選を41位で通過し、本戦へ。上位30人による2回目には進めなかったが「自分のいいジャンプができれば、やれる自信はある」と言い切った。
 高校生時代から国外を転戦してきたベテランにとっても特別な一戦だった。1回目は「緊張していないのに、テイクオフ(飛び出し)の瞬間に変な力が入っちゃう」と違和感を抱きながら、素早く滑空姿勢に入り、K点(116メートル)を1・5メートル越えた。
 自身が年齢を重ねる間に「どんどん強い選手が出てきて、世界のレベルは相当高い」と感じていたという。それでもW杯遠征メンバー入りを諦めず、他選手の故障もあって巡ってきたチャンスをつかんだ。
 51歳での“復帰戦”にファンや外国メディアも注目。「16歳だった1989年の世界選手権で来たのを一番よく覚えている。ここでW杯優勝したこともあるし、すごく印象深い」という思い出のラハティで、35年の時を経て再び一歩を刻んだ。
 (共同)

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