「土砂ダム」輪島に10カ所 土石流の恐れ、写真で判明

 能登半島地震による土砂崩れで川がせき止められた「土砂ダム」(河道閉塞)が、石川県輪島市の少なくとも10カ所で形成されたことが京都大防災研究所・松四雄騎教授(水文地形学)の写真解析で分かった。雨などで増水してあふれると土石流が発生する恐れがあり、下流の集落は警戒が必要と指摘している。

土砂ダムと土石流のイメージ
土砂ダムと土石流のイメージ

 松四教授は、国土地理院が公開した2日撮影の航空写真から土砂崩れの分布状況を解析。輪島市東部の山あいの町野川支流で、土砂が河川をせき止めている場所を10カ所確認した。
 土砂ダムの規模を推計したところ、水のたまる容量は最大で約1万4千立方メートル。松四教授は「大規模なものではない」とする一方、一部では勾配が急な場所に大量の土砂がたまっており、水とともに勢いよく押し流される恐れがあると指摘した。
 未解析の地域でも同様に土砂ダムができている可能性もある。増水は雨だけでなく雪解けでも起きることから、春先まで注意が必要という。
 松四教授は「地震後は川にあまり注意が向かないかもしれないが、水位の低下といった変化に気を付けて、2階で寝るなどの対策を検討してほしい」と話している。

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