陸上 細谷 日本勢最高 4位 五輪設定記録 クリアならず 福岡国際マラソン

 福岡国際マラソン2023は3日、福岡市の平和台陸上競技場発着で行われ、ケニア出身のマイケル・ギザエ(スズキ)が2時間7分8秒で優勝した。日本勢トップは細谷恭平(黒崎播磨)で2時間7分23秒の4位だった。

日本勢トップの4位でゴールする細谷恭平=平和台陸上競技場
日本勢トップの4位でゴールする細谷恭平=平和台陸上競技場

 細谷は先頭集団でレースを進めたが、4人になった40キロ付近で離された。来年のパリ五輪男子マラソン代表の残り1枠を争うグランドチャンピオンシップ(MGC)「ファイナルチャレンジ」の対象レースとして設定された2時間5分50秒をクリアできなかった。
 パリ五輪代表は10月のMGCで小山直城(ホンダ)と赤崎暁(九電工)が決定。来年の大阪マラソン、東京マラソンの2レースで設定記録を突破した選手がいない場合、MGC3位の大迫傑(ナイキ)が最後の切符を手にする。(正午現在曇り、気温11・9度、湿度64%、南の風1・3メートル)

 ①マイケル・ギザエ(スズキ)2時間7分8秒②楊紹輝(中国)2時間7分9秒③ソンドレ・モーエン(ノルウェー)2時間7分16秒④細谷恭平(黒崎播磨)2時間7分23秒⑤ビンセント・ライモイ(スズキ)2時間8分0秒⑥豊配友(中国)2時間8分7秒⑦ブレット・ロビンソン(豪州)2時間8分29秒⑧アベル・キルイ(ケニア)2時間8分36秒⑨ベスウェル・エゴン(ケニア)2時間12分17秒⑩大石巧(スズキ)2時間12分34秒
果敢に挑戦も最終盤脱落 細谷  果敢に挑戦したが、目標達成は簡単ではなかった。日本人で唯一、中盤以降も先頭集団で勝負した細谷は、40キロ付近で優勝争いから脱落。パリ五輪代表入りに前進する設定タイムからは1分半以上遅れ「力は出し切れたが、悔しい気持ちが強い。まだまだ努力が必要」と無念さをにじませた。
 ペースメーカーが外れる30キロ前後から、1キロごとのラップが遅れ始めた。勝負に徹する海外勢が「けん制し合っているのがすごく分かった」と細谷。自身は記録も狙う必要があり、前に出て集団を引っ張った。だが、余力を残すギザエらが最終盤にペースを上げるとついていけなかった。
 転倒による途中棄権に泣いた五輪代表選考会からわずか約1カ月半。日本人の有力選手が不在の中で奮闘し「このスパンでも勝負できないことはない、というのが分かった」と収穫もあった。最後の1枠を懸けた争いは来年に2レースを残す。「確実に次につながる走りはできた。まだ全然諦めていない」。再挑戦への覚悟が強まる42・195キロだった。
大会車両と接触 選手、全治3カ月  福岡国際マラソン2023の大会事務局は3日、競技中に選手と大会車両が接触する事故があったと発表した。選手は完走後に病院に搬送され、右肘開放骨折で全治3カ月との診断を受けた。
 事務局によると、32キロ手前の折り返し地点で接触。選手は倒れ込んだが、再び走ったという。選手名は明らかにしていない。事務局の担当者は「弁解の余地はない。競技者に対し大変申し訳ない。今後は日本陸連などと協議して対応を検討する」などと謝罪した。
残りのレース期待  パリ五輪代表の残り1枠を懸けた男子の第1戦では、設定タイムを突破する選手は出なかった。日本陸連でマラソンと中長距離を統括する高岡寿成シニアディレクターは「残念だが、今後多くの選手がチャレンジして更新することに期待したい」と願った。
 残りは来年2月25日の大阪マラソンと3月3日の東京マラソンの2戦。突破者が出なければ、今年10月の選考会で3位の大迫が代表に決まる。日本陸連で強化に携わる瀬古利彦氏は「大迫選手も狙ってくると思う。出る選手は5分台と言わず、日本記録(2時間4分56秒)を目指してほしい」と期待した。

 

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