高校生平和大使「非核の道を」 被爆地の悲願、英語で発信

 【ニューヨーク共同】核兵器廃絶を求める広島と長崎の「高校生平和大使」2人は28日、被爆者と共に国連本部前であった集会に参加した。「未来を生きる人の平和のために核廃絶の道を選択しよう」と被爆地の悲願を英語で語り、参加者から拍手が送られた。

米ニューヨークの国連本部前で行われた集会で話す「高校生平和大使」の尾崎心泉さん(中央)。左は安野美乃里さん=28日(共同)
米ニューヨークの国連本部前で行われた集会で話す「高校生平和大使」の尾崎心泉さん(中央)。左は安野美乃里さん=28日(共同)

 2人は核兵器禁止条約締約国会議に合わせ渡米した広島市の私立AICJ高1年の尾崎心泉さん(16)と、長崎県立長崎東高2年の安野美乃里さん(17)。原爆で黒焦げになった少年や、背中に大やけどを負った故谷口稜曄さんの写真を掲げ「原爆は人間らしく生きることも死ぬことも許さなかった。彼らに何の罪があったのか」と訴えた。
 尾崎さんは核禁止条約制定に貢献した非政府組織(NGO)核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞をきっかけに「できることは少ないが、私も」と考えた。今夏から核廃絶署名を集める高校生1万人署名活動に参加している。
 安野さんは高校生平和大使を務めた姉と兄の背中を追い昨年、大使に就任。ロシアのウクライナ侵攻などに対し「自分ができる最大限のことをしたい」と考えている。この日は、米国留学中の姉伊万里さん(23)も集会に参加し、活躍を見守った。
 平和大使は1998年、インドとパキスタンの核実験に危機感を募らせた長崎市民らが核廃絶署名を集め、高校生が国連機関に届けたのを機に派遣が続く。近年はノーベル平和賞候補になっている。

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