リニア「実現に全力」 JR東海総会 株主、要望相次ぐ

 JR東海は23日、名古屋市で定時株主総会を開いた。同社のリニア中央新幹線計画で当初予定の東京・品川-名古屋の2027年開業が困難な状況になっていることについて、宇野護副社長は「将来の日本にとって不可欠で、全国から早期実現を強く期待されている。全力で取り組んでいく」と強調した。株主からは早期開業を要望する声が相次いだ。=関連記事5、24面へ
 静岡県は大井川の流量減少を懸念して静岡県内工区の着工を認めていない。宇野氏は「地域の方々の懸念が解消できるよう、双方向のコミュニケーションを進めていく」と話した。
 また、リニアが全線開業すれば東海道新幹線のダイヤに余裕ができ、「ひかり」が増える余地ができると説明。全17駅ある新幹線駅のうち6駅が静岡県にあり「最も利便性の向上を受けるのが静岡県ではないかと考えている」と述べた。
 会社側は4月に社長に就任した丹羽俊介氏ら取締役13人の選任など3議案を提出し、全て可決された。総会には377人の株主が来場した。
 JR東海の23年3月期連結決算の純損益は2194億円の黒字(前期は519億円の赤字)。新型コロナウイルス感染拡大で低迷していた東海道新幹線の利用が大幅に回復し、3年ぶりの黒字となった。

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