踏切に誘導ブロック設置を訴え 視覚障害者らシンポジウム、奈良

 奈良県大和郡山市の踏切で昨年4月、全盲女性が電車と接触して死亡した事故を受け、「踏切と横断歩道の安全を考えるシンポジウム」が21日、同県橿原市で開かれた。県視覚障害者福祉協会の井沢みゆき理事は「踏切を迷いなく渡るため、踏切内に足の裏で感じられる誘導ブロックが必要」と訴えた。

奈良県橿原市で開かれた「踏切と横断歩道の安全を考えるシンポジウム」=21日午後
奈良県橿原市で開かれた「踏切と横断歩道の安全を考えるシンポジウム」=21日午後

 自らも視覚障害がある井沢さんは、踏切内での誘導ブロック整備が進んでいない点について「道しるべがなくなって見放されたような気持ちになる」と強調。小山恵美理事も「踏切内では白杖がレールにはまってしまうので使えない」と指摘した。
 盲導犬を使って生活している同福祉協会の辰己貴之さんは大和郡山市の事故現場を訪れたといい「車道と歩道の区別がつきづらい。盲導犬と通るためにも道幅が必要」と話した。
 バリアフリーに詳しい慶応大の中野泰志教授は、踏切内での整備は視覚障害者の命に関わる問題とし「丁寧かつ速やかな解決が必要だ」と訴えた。 

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