新型コロナ 5類へ移行 感染対策は個人判断に

新型コロナ 5類移行に伴う変更点
新型コロナ 5類移行に伴う変更点
多くの人たちが行き交う大阪・ミナミ=7日午後
多くの人たちが行き交う大阪・ミナミ=7日午後
新型コロナ 5類移行に伴う変更点
多くの人たちが行き交う大阪・ミナミ=7日午後

 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが8日、季節性インフルエンザと同じ「5類」へ移行した。政府対策本部も廃止。政府が一律に感染対策を求めるのではなく、個人や事業者の判断に委ねられる。3年以上にわたった新型コロナ対策は「有事」から「平時」の対応に大きく転換。ただ流行「第9波」が起こると懸念されており、感染拡大時に医療逼迫(ひっぱく)や死者の急増を招かないよう、政府には移行後も慎重なかじ取りが求められる。
平時対応へ転換/第9波懸念
 世界保健機関(WHO)は5日、緊急事態宣言の終了を発表。世界的にも対策緩和の方向性が明確となっている。
 感染対策は、法に基づき行政が要請や関与をする仕組みから、個人の自主的な取り組みを基本とした考え方に変わる。政府は基本的対処方針を廃止。業種別ガイドラインもなくなり、事業者の判断に委ねられる。
 外出自粛要請や濃厚接触者の特定は廃止。感染者数を毎日公表していたが、移行後は定点医療機関から1週間分の報告を取りまとめ、週に1回公表する。19日に1回目の発表を予定している。一部の自治体の協力を得て、例年の水準をどれだけ上回ったかを示す「超過死亡」を迅速に把握する仕組みも導入する。
 医療提供体制は、限られた医療機関による特別な対応から、幅広い医療機関による通常対応に変更する。行政が担っていた入院調整は原則病院間で行う。医療費には自己負担が発生。抗ウイルス薬や入院費など一部には公費支援を9月末まで継続する。
 政府は2020年2月、期限付きの「指定感染症」に位置付け、緊急事態宣言や入院勧告などの措置が取られた。21年2月には期限の定めなく必要な対策を講じられるよう「新型インフルエンザ等感染症」に改めた。
 だがオミクロン株が主流になりワクチン接種も進んで、重症化率や致死率が低下したことから、政府は、法に基づく私権制限に見合った状態とは考えられないと判断。今年1月27日、5類移行を正式決定した。
 共同通信の集計では、国内の感染者は3300万人、死者は7万人を超えた。一部の専門家は今後、流行第9波が起こり「第8波より大きな規模になる可能性も残されている」との見解を示している。
 政府は、オミクロン株とは大きく病原性が異なる変異株が出現するなどした場合は、指定感染症に改めて位置付け、一時的に対策を強化するとしている。

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