
春夏計9度の甲子園出場を果たした上村敏正前監督(68)が3月末で退任し、正式に田中公隆新監督(51)体制となってから初の公式戦を白星で飾った。U-18日本代表候補合宿(4月3~5日)に参加した左腕エース、高部陸投手が先発し8回を6安打1失点、7三振を奪い要所を締めた。
掛川東
010 000 000 =1
000 106 00x =7
聖隷クリストファー
高部、投打で活躍
田中新監督は1点を追う四回、同点の起点となったのが5番DHの高部投手だったこと、終盤まで高部投手をマウンドに残したことについてこう説明した。「秋から課題はずっと同じ。練習試合では(打撃が)良くても公式戦では高部に〝おんぶに抱っこ〟の展開になってしまう。頼ってるわけじゃなくて、みんなそれぞれ一生懸命力を付けてくれているのだけれど、公式戦は難しい。高部は粘っていかないといけないゲームが続くと思うので、ゲームが決まったというところまで任せたかった。調子は全然でしたが、以前ならもう少しむきになって投げていたところ、変化球に切り替えてうまくやってくれたので、成長を感じましたね」
「やるべきことをやるだけ」
田中監督は大阪桐蔭高―福井工大出身。現役時代は主に捕手だった。大学卒業後、静岡学園高で約3年間監督を務め、その後は大阪桐蔭高の西谷浩一監督のもとで10年間コーチを担い、福井工大福井高での監督を経て2021年4月、聖隷に着任した。副部長として5年間、上村監督の采配を間近で見てきただけに、まずは前監督のスタイルを踏襲する意向だ。
「選手はやるべきことを教わってきている。余計ことはしない。やるべきことをやるだけ。選手と思いは一致しています。秋の悔しさを忘れず、勝って結果で上村監督に恩返しをしようということ。そこを確認してスタートしました」

勝ち越し打を放った小金沢玲雄外野手も「(上村監督退任の)話を聞いた時は困惑しかなかったけれど、田中先生が鼓舞してくれて、上村先生がいた時と変わらず、ピリッとした雰囲気の中でできています」と、スムーズに受け入れられたようだ。
代表候補合宿での収穫
この日の高部投手は「出力を上げるよりコントロール重視で」と変化球を軸に組み立てた。冬に会得したカーブや、代表候補合宿で沖縄尚学の末吉良丞投手から教わったカットボールを試しながらの投球だった。
「もともとカットボールは得意だったんですけど、それよりも曲がりが小さいカットボールの握りを(末吉投手に)教わりました。(末吉投手は)真っすぐの強さもあって、変化球の精度だったり、自分より一枚上手だなと思いました。同部屋だった智弁学園の杉本(真滉)投手には体の使い方を聞いたり、富山(富岡第一)の前田(侑大)投手は自分より体が柔らかかったので、ストレッチとか教えてもらいました」

同級生左腕同士で有意義な交流があったようだ。
高部投手が合宿に参加するため、静岡県高野連は上位決定戦の日程を変更するという特別措置を取った。「大会(公式戦)で投げることが一番の調整になる。感謝しています」と高部投手。
目指すのは春、夏優勝
昨春から県大会を3季連続で制している聖隷クリストファー。「自分たちの代であと2季。両方優勝して終わりたい。勝つ姿を見せることが上村先生への一番の恩返しになる。春は自分がいいピッチングをして、いい流れのままいろんなピッチャーにつないで、チーム全体で成長できる春にしたい。自分は球速150キロを出したいですね」。4季連続の王座を目指す春季県大会は4月18日、開幕する。
(編集局ニュースセンター・結城啓子)
【取材後記】
掛川東の世古雄馬監督によると、選手は高部投手との対戦を楽しみにし〝高部対策〟をしてきたそうです。終速を145キロになるようにマシンを設定し、初速158キロの球で目を慣らしてきたそうで、そのかいあってか全国屈指の左腕から6安打し、先制点をもぎ取るという打線としてはまずまずの出来でした。世古監督は「簡単には打てないし、スコアリングポジションに来てからギアが入るのも分かっていたけれど、投げてくれないのが一番怖かったので、対戦できて良かったです。今日が本番じゃなく、県大会の4懸け(くらい)で当たった時にちゃんと打てないと」と話していました。コンディション不良だった投打の要、浅田陽天選手も戦線復帰。県大会での戦いぶりが注目されます。










































































