卓球Tリーグ静岡ジェードが強豪琉球に大金星!新体制で迎えた熱狂のホーム戦を徹底レポート

卓球Tリーグ男子の静岡ジェードは23、24両日、三島市民文化会館で今季最初のホーム戦に挑みました。23日はT.T彩たまに1-3で敗れましたが、24日は琉球アスティーダに3-2で競り勝ちました。

前任の森薗政崇選手から重役を引き継いだ町飛鳥新監督兼選手、いずれも新加入の初外国人ウラジミール・シドレンコ選手(ロシア出身)、金沢ポートから移籍した五十嵐史弥選手、ドイツリーグ(ブンデスリーガ)でプレーするなど経験豊富な坪井勇磨選手らが躍動。
新体制となった静岡が、会場を訪れた総勢700人以上の卓球ファンを楽しませました。2日間の激闘を振り返ります。

23日のホーム開幕戦の相手は昨季のプレーオフを制した強敵彩たま。第1試合ダブルスで町選手と坪井選手のペアが、彩たまの渡部民人選手、木造勇人選手のペアに挑みました。

町選手が「来た球をただ打ち返すだけになっていました」と振り返るように、ホーム初戦の硬さで息の合ったプレーができず、第1ゲームは8-11で競り合いましたが、第2ゲームは4-11で落として敗れました。

第2試合のシングルスはTリーグ初参戦のロシア人シドレンコ選手が出場。7月に国際大学スポーツ連盟主催の世界ユニバーシティーゲームズで優勝するなど、実力は折り紙付きです。

マッチアップした曽根翔選手は、8月3日の岡山リベッツ戦で日本卓球界のエース張本智和選手を破るなど、波に乗っています。第1ゲームは3-11で落としましたが、181センチの長身から放つ豪快な両ハンドで第2ゲームを奪いました。

ですが、第3,4ゲームを落とし1-3で敗戦。第3試合のシングルスはTリーグ経験豊富な五十嵐史弥選手が登場し、182センチの長い手足を生かしたパワーのあるラリーとバックハンドを見せましたが、最後まで攻守がかみ合わず、木造勇人選手にストレート負けを喫しました。

見せ場をつくったのは入団3季目の松下大星選手。国内でも希少なペンホルダーで、相手のエース有延大夢選手を翻弄。速いラリーで第1ゲームを取ると、サービスエースも繰り出し、第2、第3ゲームを連取してストレート勝ちしました。

「戦ってみたいとは思っていましたが、(有延選手は)強いので勝てると思っていませんでした」といいながらも、第3ゲームはわずか1失点に抑えて完勝しました。しかし、ホーム開幕戦を飾れず、悔しい結果となりました。

24日は昨季のレギュラーシーズンを制した琉球。昨季で張本智和選手、篠塚大登選手らが退団し、敵地で挑んだ開幕戦で4-0で大勝していたものの、世界選手権混合ダブルス優勝の吉村真晴選手、世界選手権男子ダブルス準優勝の大島祐哉選手ら実力者は在籍していて、決して侮れない相手です。

初戦は前日23日のダブルスと同じく、町飛鳥選手、坪井勇磨選手が出場し、昨季まで静岡に在籍していた坂井勇飛選手、大島祐哉選手のペアを迎え撃ちました。

何もできなかった前日の悔しさをバネに、第1ゲームを11-7で先取。第2ゲームを取られ、6-6から始まる第3ゲームにもつれましたが、11-9で粘り勝ちしました。

町選手が「僕たちのダブルスは坪井次第なんです」というように、町選手が安定感のあるレシーブでリズムを生み、坪井選手の攻撃的なサーブが光りました。坪井選手は前日の試合後も会場で調整。悔しさを晴らしました。

第2試合のシングルスは好調の松下大星選手でしたが、対戦した韓国人のチョ・スンミン選手の得意なコースに打ち込まれました。「今季一番苦しい試合だった」と激しく競り合い、第5ゲームに突入。6-6でスタートする第5ゲームは、好サーブで相手を抑えて何とかものにし、チームは2-0で優位に立ちましたが、第3試合、第4試合のシングルスで苦しみました。

ウラジミール・シドレンコ選手は吉村真晴選手に敗れ、五十嵐史弥選手は大島祐哉選手に負けました。ともに1ゲームは死守しましたが、力及ばず。勝負は2-2で振り出しに戻りました。


最終第5試合、1ゲーム制のビクトリーマッチは松下大星選手が出場することになりました。相手は吉村真晴選手。息の詰まる一進一退の攻防が続きました。ジュースに持ち込まれて何度リードしても追いつかれ、12-13と先行を許しました。

それでも「やるべきことをやるだけ」と高い集中力で安定したプレーを続けて難なく追いつきました。今季負けなしの勝負強さを見せ、得意の強烈なチキータで14-13とマッチポイントを迎え、最後はサーブを焦らずに返して相手が返球できず、勝利をつかみ取りました。

松下選手はビクトリーマッチに通算5回目の出場となり、ビクトリーマッチ初勝利を挙げました。チームの勝ちが決まるとガッツポーズし、チームメートと握手を交わして喜びを分かち合いました。強敵に2連勝し、通算2勝2敗としました。

次の試合は9月13.14両日、山梨・東京エレクトロン韮崎文化ホールで行われます。次戦の結果にも期待が高まります。
シズサカ シズサカ

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