バスケB2・ベルテックス静岡の森監督と岡田雄三(沼津中央高出)が今季の成果に手応え ! 次につながるプレーオフ初の「1勝」


バスケットボールBリーグ2部(B2)の静岡(西地区3位)は5日、ありそドームで2戦先勝方式のプレーオフ(PO)準々決勝第3戦で富山(東地区2位)に74-90で敗れ、準決勝進出は逃しました。ただ、2季連続でPOに進み格上の富山からB2のPOで初となる1勝をつかみ取り、就任1季目の森高大監督、3部(B3)時代から数え加入4季目のPG岡田雄三選手(沼津中央高出)はともに充足感にあふれていました。2人はこの試合を振り返り、今季の成果に手応えを示しました。

森高大監督「静岡のファンは日本一。ワンステップ踏めた」


―振り返りを。

まずは夏から始まって一緒に戦ってきた仲間が戦い方も取り組み方も誇りに思えるようなプロセスを歩んでくれた。この歩みを一緒に刻んでくれたファンの皆さんにも、毎回のことですが感謝していますし、セミファイナルにたどり着けなかったことを申し訳なく思っています。ただできることを選手たちがやってくれたと思うし、そこに対しての後悔はないです。

今回は富山さんにおめでとうと言いたいです。ゲーム3を勝ち抜くのに値するルーズボールとリバウンドに対するファイトっていうのをやりきった。僕らももちろんやろうとしたんですけれども、特に宇都(直輝)選手、(ユージーン・)フェルプス選手の2人でやられたと思います。もちろん(アーロン・)ホワイト選手に36得点されたのもあります。

このゲーム3は華麗なシュートが入ることじゃなくて、泥くさいところ、リバウンドだったりルーズボールだったりが勝負を分けると入ったんですけれども、そこを富山にやられて止めきれなかったなという印象です。

―ファンの方々へ。
こういうアリーナで僕らが対戦できるっていうのは本当にうれしいですし、B2全体としても熱っていうのがすごく上がってきているのを感じます。その中でも静岡のファンは日本一だと思っているので、また一緒に一歩ずつ上っていって、もっといい景色を見られるように頑張っていきたいと思います。

―激しい攻撃を受けフリースローを与えてしまいました。
これもさっきのオフェンスリバウンドと、フィフティフィフティボールにつながっていて、結局いいポジションでオフェンスリバウンドを取ったって、彼らの方が(より)いいポジションにいることが多いのでファウルを使わざるを得なかった印象です。軽い笛を吹かれてしまったとかそういうわけではなく、いいポジションまで運ばれてしまったから、結果的にフリースローが増えてしまったんで、おそらくそれは富山さんの得意とするところだと思います。

―就任1年目の今季を総括してどうでしたか。
目標はB2で優勝してB1に昇格するっていうところで、そこに対してはやっぱりまだまだ距離があったかなという印象は受けます。ただ同時に、プレーオフにしっかり出るっていうのは口で言うほど全然簡単なものじゃないので、早い段階で決めることができたっていうのはチームの選手、スタッフが頑張ってきた結果だと思いますし、本当に誇りだと思っています。また昨年は僕はコーチではなかったですけどプレーオフに初出場で1勝も挙げることができなかった。ここのところでは、もうワンステップを踏めたのかなという自負はあります。

PG岡田雄三「悔いなくやりきった」


―この試合を振り返って。

お互いセミファイナルをかけて意地と意地がぶつかり合った試合で、富山さんがルーズボールの後のちょっとお互いもめたとこからインテンシティを出されて、1コート走られたってところがチームとしてちょっとうまく対応できませんでした。コーチから、プレーオフはリバウンドとフィフティフィフティのボールを、どっちが取れるかが全てっていうのはずっと言われてたんですけど、そこを富山の外国籍の選手中心に取られた。リバウンドとルーズボールを取りきれなかったっていうとこが勝敗を分けたと思います。

けど、40分を通して自分たちが60試合やってきたことは出せたと思いますし、個人的にも悔いはなくやりきったと思います。静岡から3日間応援に来てくれたファンには結果で恩返しできなくてすごい残念ですけど、やりきったかなっていうふうな気持ちです。

―苦しい時間にどういう声かけをしましたか。
もちろん富山さんのホームで、完全アウェーっていうのはわかってましたし、その中でとにかくプレーにフォーカスする。特にプレーオフは本当に笛がならないってのが一つあるので、審判と戦わないだとかそういったところはポイントガードとして、常に声かけはしてました。

レギュラーシーズンだったら一気に崩れるところを、今日は何とか耐えれた場面もあったのでそこは成長した部分ではある一方で、そこからもう一歩リードまで行くっていうとこはやっぱ上位チームとの小さいようで大きな差かなっていうのは、素直に認めないといけない部分だと思います。

来シーズンもまたチームが変わったりそれぞれ行く場所が変わりますけど、個人的にはそこはポイントガードにとってすごい大きな部分なので一つ勉強になったというか、今後良いキャリアを築いていく中で乗り越えないといけないところかなと思いました。

―今季のチームの完成度についてどう考えますか。
ヘッドコーチ(森監督)も1年目で、ヘッドコーチがまず変わるっていうのがすごい大きなところだと思いますし、選手も半分以上変わった中で、1年で結果を出すというのをチームとして目標にしてきたので、そういった意味で言うとよくできたと思います。このメンバーで仮に2年、3年とやっていければもっと味の出るチームになっていくのかなっていうふうに思うので、よくやりきったなっていう部分と、もっとやってみたいなっていう、プロの世界なので難しいですけど、そういった感情があります。

―静岡の方々にメッセージをお願いします。
今シーズンで4シーズン目になるんですけど、年々ブースターの熱量ってのはもう実感するレベルで変わってきているので、すごい感謝しています。その期待に応えるべく今シーズンやってきました。ワンシーズンファンの皆さんと一緒に戦ってこれたっていうのは僕を含めて、選手スタッフ全員が思ってるところだしそこはベルテックスの魅力の一つかなと思うので、来シーズンも引き続きチームを応援してもらえればと思います。

―富山の戦い方で、勝利した前日(4日)との違いはありましたか。
気持ちの部分はフィフティフィフティでやりあったと思いますけど、単純にレギュラーシーズンの順位を見ても、富山さんの方が地力を持っていた。力で言ったらうちとしては下克上じゃないですけど。さっき言ったルーズボールの競り合いのところからアクションを先に出せたのが富山さんだったので、それも実力だと思います。

結局、最後は気持ちの部分。その言葉で言いくるめたらそれで終わりなんですけど、プレーオフってやってみないとわからないんだなって思いましたし、でもそこが一番大事な部分っていうのは実際にコートに立って学べた。これは自分にとってもチームにとっても大きな出来事かなって思います。
シズサカ シズサカ

静岡新聞社編集局運動部がサッカーや野球、バスケットボール、ラグビー、バレーボールなど、さまざまなスポーツの話題をお届けします。紙面では紹介しきれない選手たちの表情や、ちょっとしたこぼれ話をお楽しみに。最新情報は運動部の公式X(旧Twitter)でチェックを!

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