新型コロナから徐々ににぎわいを取り戻しつつある静岡県の観光地・熱海で新たな集客を目指しリゾート施設が大浴場をリニューアルしました。目指すのは、夜も楽しめる熱海です。
熱海市のリゾート施設「リゾナーレ熱海」です。旅館の施設を改装して2011年にオープンし、客室のリニューアルやカフェの設置などを進めてきました。
<リゾナーレ熱海 相山一茂総支配人>
「こちらが新しくリニューアルいたしました『熱海温泉ゆらゆら』の半露天風呂でございます」
今回、新たに相模湾を一望できる大浴場をリニューアルしました。月が昇るとき、光が海に映り光の道が海面に描かれる「ムーンロード」をテーマに熱海市内の夜景や花火大会を湯船につかりながら眺めることができます。
リニューアルを手がけたデザイナーは大浴場にいながらも外の景色とのつながりを感じてもらいたいといいます。
<Klein Dytham architecture アストリッド・クラインさん>
「熱海の景色が目の前に広がってくるので。風呂に入りながら温泉で温まっていろいろ楽しめることができる」
ほかにも、ホテルにいながら夜のビーチリゾート気分を堪能できるカフェなど、1年を通して夜の熱海を楽しめるサービスの提供を目指しています。
<相山総支配人>
「もちろん夜だけでなくて、朝から夜まで景色の移り変わりのように。そんな滞在を楽しんでいただけたらなというふうに考えております」
コロナ禍で経済や観光業の低迷が心配された熱海。遠のいた客足は徐々に戻りつつあります。しかし、課題となっているのは日帰り客と宿泊客の割合です。

最新のデータでは熱海市を観光で訪れる人の約半数は日帰り客。滞在時間が短く宿泊客をいかに増やすのかが、さらなる活性化の鍵となっています。
<熱海市役所観光建設部 立見修司次長>
「やはりですね、夜、熱海に行きたいと思わせる熱海の街、夜楽しめるっていうところがないと、夜の街、夜の飲食店っていのはなかなか盛り上がらない」
宿泊客を増やすには夜の熱海の魅力を高めることが欠かせません。
<立見次長>
「市内もホテルの1つのフロアという風に捉えていただければ。街全体でですね、昼も夜も楽しんでいただけるようなことが提供できるんじゃないかと」
リゾナーレ熱海のリニューアルした大浴場は3月6日にオープン。夜の熱海の付加価値を高め街なかへの経済効果の波及を狙います。
熱海市は4月から宿泊税を導入し、観光戦略を担う「熱海観光局」を発足する予定です。インバウンド客の獲得を含め、更なる観光活性化の取り組みが進もうとしています。