いまや、世界有数の競歩王国となった日本。男子の世界記録保持者は、いずれも静岡にゆかりのある選手です。男子20キロは山西利和選手(静岡・西豊田小出身)、そして、35キロは川野将虎選手(静岡県小山町出身)。川野選手は、2025年9月に東京で開催される世界陸上で真の王者を目指します。
<川野将虎選手>
「自分自身まだ世界でチャンピオンになっていないし、記録は出したが、世界一になったという感覚ではなくてここからがスタート」
陸上35キロ競歩、川野将虎選手。2024年10月、全日本35キロ競歩高畠大会で2時間21分47秒の世界記録を樹立しました。
<川野選手>
「高畠競歩は世界記録を狙うとかじゃなく、(世界陸上の)代表権を獲得するためにベストを尽くした。その結果がそういう記録だった。プレッシャーがないとパフォーマンスを発揮できないタイプ。良い時は自分の中でいい緊張感をコントロールできている」
静岡県立御殿場南高校から始まった競技人生。倒れこむまで練習に明け暮れました。毎日毎日追い込んで、それでも歩き続けるのかと問うと「まだまだ足りない」と答えた川野選手。高校時代は、インターハイで2年生の時は銀メダル、最終学年も銅メダルと日本一まであと一歩届かず。
22歳の時挑んだ東京オリンピックでは、レース中、体調不良に見舞われ、悔しい6位。世界陸上ではこれまで、2大会連続でメダルを獲得しながらも頂点があと一歩遠かった川野選手。東京では目指す場所はただひとつです。
<川野選手>
「記録は記録、世界の舞台でチャンピオンになったわけでもなく、これから東京世界陸上に向けてチャレンジャーとして臨んでいきたい」
15歳で始めた競歩、記録を伸ばす喜びが、いつしか日本を背負う存在に成長させました。大記録を打ち出しても慢心はありません。
※記事の数字に一部誤りがあり訂正しました。
