静岡県内ではノロウイルスによる食中毒が相次ぎ、県は2025年初めての「警報」を発表しましたが、2月3日も沼津市で集団食中毒の発生が確認されました。気温が高い夏に起こりやすいイメージの食中毒ですが、ノロウイルスは冬に猛威を振るう傾向があり注意が必要です。
<県健康福祉部衛生課 阿部冬樹課長>
「1月に入ってから、連続して食中毒が3件発生しています」
県の担当者が警鐘を鳴らすのは、ノロウイルスによる集団食中毒です。静岡県内では、2025年に入り浜松、静岡、沼津で3件の食中毒が発生し、あわせて71人が感染しました。
国がまとめた2023年のノロウイルスによる食中毒の患者数をみると、冬から春先にかけて増加していることが分かります。国によりますと、年間の食中毒の患者数の約半分はノロウイルスが原因で全体の7割ほどが11月から2月に発生しているといことです。
ノロウイルスの感染経路は、食品からと、人からの2種類あります。県によりますと近年は、感染者が調理したことで汚染された食品を食べて広がるケースが多いといいます。
県内で発生した集団食中毒でも飲食店や弁当店で調理された食品で感染し、店の従業員の便からは、ノロウイルスが検出されています。
<阿部課長>
「新型コロナウイルス感染症が流行していた時期は、接触感染を防ぐ観点から、皆さん手洗いに熱心に取り組んでいた。この時期は食中毒も非常に少なかった。やはり手洗いの励行が非常に重要なので、しっかり手を洗っていただくよう啓発を訴えかけていきたい」

猛威を振るうノロウイルスですが、非常に感染力が強く、冬場に流行するのが特徴です。主な感染経路は、ノロウイルスに汚染されたカキやアサリといった二枚貝をナマやよく加熱せずに食べること。
また、ノロウイルスの感染者の便やおう吐物に触れるなど、不適切な処理をした場合も、手や指などを介して、二次感染することがあります。

では、もし家族がノロウイルスに感染した場合、どのような対応をすれば良いのでしょうか。感染者が使ったり、おう吐物がついたものは、床、ドアノブなどは塩素系消毒剤で消毒します。この時、マスク、手袋は忘れずにつけてください。また、洋服などの場合は、85度以上の熱湯につけ置き洗いしましょう。
最後に、感染者のお風呂はシャワーのみにするか、一番最後に利用し浴槽に入る前によくお尻を洗うようにしましょう。