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「泊まりで来たいっていうきっかけになる」伊豆の温泉地が台湾の観光スポット『九份』再現 華やかな夜市でかつてのにぎわい創出へ

観光客の減少に悩む静岡県東伊豆町で週末の夜、ちょうちんを使ったイベントが開かれました。世界中から愛される台湾の景色を伊豆半島で再現しようという取り組みです。

町のいたるところで湯けむりが立ち上る東伊豆町の熱川温泉。夜になると、暖かな光が灯ります。2月1日、東伊豆町奈良本の路地裏で開かれた「熱川ゆけむり夜市」です。

夜の温泉街を彩るのは約1000個の「台湾ちょうちん」。台湾の人気観光地「九份」を再現して観光客を呼び込もうと、東伊豆町が町をあげて取り組んでいるイベントです。

<訪れた人>
「このイベントをやっていると聞いて実際にどんな感じか来てみました。泊まりで来たいっていうきっかけになりますね」

ちょうちんを眺めながら、キンメダイやサザエなど地元の海の幸を使った屋台グルメが楽しめます。2024年から始まった夜市は月に1回ほどのペースですが、ライトアップは毎日実施されます。東伊豆町は、かつてのにぎわいを取り戻す起爆剤として大きな期待を込めています。

熱川温泉は静岡県熱海市と下田市の間にあり、1960年代からバブル期にかけて観光客で活気づいていました。しかし、観光スタイルの変化や交通の発達に伴い、他の温泉地へと人が流れ、訪れる人は年々減少。1979年度に1年間で83万人いた観光客は2023年度、3分の1以下の約25万5000人にまで減少しました。
 

<地元で商店を営む人>
「お客さんが来ない日は(売り上げが)350円とか500円の日も続きますしね。本当に細々とやっています。もうこれで限界ですね。これ以上下がったら、もうやっていけないね。店を畳むしかないね」

現状を変えるため、町が狙いを定めたのが「夜」です。台湾の「九份」の夜景は、映画の中に入り込んだかのような世界観を感じられると人気で、世界中から多くの人が訪れます。発起人の岩井茂樹町長は、視察で訪れた台湾の街の姿に可能性を感じたといいます。

<東伊豆町 岩井茂樹町長>
「九份に行った時は不思議な街だとまず思いました。何かというと夜になればなるほどお客様が増える観光地なんです。普通逆ですよね」

「九份」の再現に欠かせない「台湾ちょうちん」の調達は台湾の観光協会が協力しました。

<台北駐日経済文化代表処 張淑玲横浜分処長>
「こんなに本格的になるとは思っていませんでした。夜になると皆さんもちょっと出歩いて幻想的な雰囲気を楽しめるようになったので非常にうれしく思います。ぜひうまく連携して観光の起爆剤になればいいと思います」

「熱川ゆけむり夜市」は3月も開かれ、4月はパフォーマンスなどを加えたより充実した内容を計画しているということです。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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