全国的に猛威を振るっているインフルエンザですが、静岡県内では高齢者の感染が広がっています。静岡市内の高齢者施設では、入館時の対策を強化するなど、コロナ禍での経験を踏まえたうえでの対応をとっています。
静岡市内の病院です。年が明け、高齢者のインフルエンザ患者が一気に増えたといいます。
<静岡あおい消化器内科クリニック 北村匡院長>
「お正月が明けた頃がすごく多かったですね、インフルエンザの患者が。本人たちはすごく気をつけているが、実家に帰って来た親族が感染して帰ってきて、うつってしまったっていうケースがかなり多く見られた」
県が先週発表したデータによりますと、インフルエンザが重症化し入院した患者数の3分の2は70歳以上の高齢者です。
約100人の高齢者が入居している静岡市駿河区の高齢者施設です。年末年始に入居する高齢者2人と職員2人がインフルエンザに感染したといいます。この施設では、外からウイルスを持ち込まないことに力を入れています。
<登呂の家 平井翔さん>
「(来館者には)入館表を記載してもらうところがありますので、非接触の体温計で体温を測ってもらってから、確認項目で熱がないかとか、最近インフルエンザにかかった人がいるか、せき鼻水の症状があるかどうかっていう確認をしていただいて、こちらに入れていただいて、(入居者がいる)2階3階に上がっていただく形になっている」
入居する家族に会いに来た来館者は全員、体温測定や体調のチェックなどを済ませてから面会することになっています。
<入居する母親との面会に訪れた男性>
「みんなコロナで慣れているのでその延長戦でみんないるんじゃないですかね」
施設の担当者はインフルエンザの感染が広がっても面会を制限することは考えていないといいます。
<登呂の家 平井翔さん>
「コロナ禍の経験を通して、ご家族と利用者が会えないという期間があまりにも長くてその中で亡くなられた方もいらっしゃった経験を通してこういった感染(流行)の中でも私たちとして交流の機会だとかご家族とお会いできる機会が大事だと思って、このような対応をしています」
北村院長は「インフルエンザのB型は早い所では出始めている。通常、B型のピークは3月から4月なので、ワクチンは今からでも間に合う。施設には認知症患者など自分で手洗いうがいができない人もいるので、まずは外から持ち込まないのが大切」と話しています。