静岡県沼津市にある「大中寺」。700年以上の歴史があり、梅が有名なお寺です。
<大中寺 下山光順副住職>
「きょうのしずおか産は、沼津特産の伝統野菜『大中寺いも』です」
古くから愛鷹山麓で栽培される里芋「大中寺いも」。さまざまな調理法で楽しめる伝統野菜です。
<井出栄一さん>
「持ってみますか」
<LIVEしずおか 井手春希キャスター>
「重たい。私の顔と比べるとどうですか」
<井出栄一さん>
「顔より大きいかと思いますね」
<井手キャスター>
「私が知っている里芋はちょうどこれぐらいのサイズですけど、この大きい方も頂けるんですよね」
<大中寺いもの会会長 井出勝基さん>
「沼津市の小中学校の学校給食で使ってもらっています。調理する方も大きい方がやり易いということで、味もいいもんですから」
里芋としては珍しく、親芋の食感が良質なため、普段は食べることのない親芋を大きくする栽培方法を取っています。11月には人の背丈になるほど大きくなります。
生産者の高齢化が進み、30軒ほどあった農家も今では5、6軒ほど。現在、「大中芋の会」を立ち上げ、伝統のいもを守り続けています。
<井出勝基さん>
「仕事ができる限りはやりたいと思います」
ところで、なぜ「大中寺いも」とお寺の名前がついているのでしょうか。
<下山副住職>
「沼津に御用邸ができたことに機縁するんですけど、明治時代に御用邸ができまして、大中寺の方へ日帰り旅行の形で皇室の方々が梅の花であったり、タケノコ狩りに来ていたことがあり、その際に地域の方が特産の里芋をお出ししたという所から『大中寺のおいも』ということで、『大中寺いも』と呼ばれるようになったと聞いています」
寺には、沼津御用邸からの注文書も大切に保管されています。
貴重な伝統野菜「大中寺いも」。おいしい食べ方を教えてもらいました。
<料理家 藤原会美さん>
「皮付きフライ。ダイレクトにこれくらい切ります」
<井手キャスター>
「藤原さんのようには行かないですね。きれいに切れましたが、どうですか?」
<藤原さん>
「バッチリです。全部余すことなく頂けるのが魅力かなと思います」
米油で5分くらいカリっと素揚げに。塩コショウを振って「大中寺いもの厚切り皮付きフライ」の完成です。
<井手キャスター>
「いただきます。おいしい!雑味もなくて、シルクのような滑らかさが心地よいですね、少しホクホクしている感じ」
<下山副住職>
「味の特徴としては粘り気が少ないというのが特徴。ニルナリ、ヤクナリ、アゲルナリという三拍子でやらせてもらっているんですけど」
続いて、炒めた玉ねぎに大中寺いもと豆乳を加えたポタージュをいただきました。お好みで塩コショウとオリーブオイルをかけて完成です。
<井手キャスター>
「クリーミーで大中寺いもならではのほのかな甘みがちゃんと残っていますね。本当に心も体も温まりますね、幸せ」
<下山副住職>
「このお芋を通して地域の歴史であったり、味に触れていただきたいと思っています」