「どんどん水があふれて『あ、終わった』」自慢の新玉ねぎが台風被害… クラウドファンディングで能登半島の“仲間”も支援へ

浜松市の特産・新玉ねぎ。8月の台風で被害を受けた生産者が復旧に向けてクラウドファンディングを始めました。集まった資金は能登半島の農家にも。玉ねぎを「復興と希望の象徴」にしたいと意気込みます。

全国で最も早く出荷される浜松の「新玉ねぎ」。地元の居酒屋「フジサン・デリ」では、季節になると玉ねぎのステーキをごろっと乗せた自家製カレーを提供しています。

<フジサン・デリ 小林治男店長>
「短時間で火が入って、芯を残しつつも甘みがしっかりしているって部分では『庄島さんのとこの玉ねぎ』、初めて食べた時は衝撃的でした」

庄島農縁の代表・庄島航さん(43)。玉ねぎを育てて8年。2024年3月には、『野菜ソムリエサミット』で金賞を受賞しました。ますます勢いに乗りたい中で、この夏、想定外のトラブルに見舞われました。

<庄島農縁 庄島航代表>
「見えますか。完全に泥水が畑を埋め尽くしているみたいな。地下水や排水路から逆流してきて、どんどん水があふれてきたって感じですね。『あ、終わった』っていう」

8月末に静岡県内を襲った台風10号。庄島農縁の苗場は、植えたばかりの10万本を超える苗が水に浸かったり、流されたりする事態となり、損害は100万円以上にのぼりました。

台風10号は日本を縦断し、能登半島にも大きな被害をもたらしました。庄島さんの農家仲間、石川県輪島市の山下祐介さんの田んぼは元日の地震で地盤が崩れ、台風では泥水を被りました。

<庄島農縁 庄島航代表>
「同じ農家だからわかる痛みがある」

そこで、庄島さんが12月から始めたのがクラウドファンディングです。自然災害に立ち向かう農家の現状を広く知ってもらい、集まった資金を玉ねぎ畑と能登の山下さんの田んぼの復旧にあてます(2025年1月13日まで受け付け)

大雨から生き残った玉ねぎを『復興と希望の象徴』と話す庄島さん。クラウドファンディングの返礼品にしました。

<庄島農縁 庄島航代表>
「残った玉ねぎは『水害に負けないぞ』っていう『根性』を持っている玉ねぎ。支援者さんと山下さんと私で共有できるような。『負けないぞ』って気持ちをつなげたい」

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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