2024年11月から静岡県境に入ったリニア新幹線のトンネル工事の前段階となる「ボーリング調査」について、調査を行うJR東海は12月6日、山梨県内の地質が脆い箇所で土が崩れ「孔詰まり」が発生したとして、調査を一旦中断すると発表しました。
ボーリング調査は、リニア新幹線のトンネル工事の前段階として地質や地下水を調べるためのもので、山梨県から静岡県に向かって行われています。
JR東海は山梨県内の地質が脆い箇所で土が崩れ「孔詰まり」が発生し、これ以上継続することが困難になったとして、12月6日、調査を一旦中断すると発表しました。
これまでに大きな湧水の発生は確認されていないということです。
JR東海は今後、リニア工事の作業用トンネルとなる先進坑の掘削を静岡県と山梨県の県境手前まで進め、その後に改めて静岡県内のボーリング調査を行い、地質や湧水の状況を確認していきたいとしています。
ボーリング調査中断の発表を受け、静岡県の鈴木康友知事は「終了することになった経緯や要因、今後の先進坑の計画について詳細な説明を求めている」としたうえで「県専門部会において、科学的・工学的な観点から確認いただく必要がある」と懸念を示しました。
静岡県は長年、県境付近や県内での実施を認めていませんでしたが、鈴木康友知事は9月、大井川流域の自治体の了解が得られたとして、調査の実施を容認し、調査は11月20日、静岡県内に入り県境から10メートルの地点まで進められていました。