LIFEライフ

SBSテレビ LIVEしずおか

【静岡駅伝】「誰か一人でも欠けたら出場できない」ふるさとのピンチに集った女子中高生4人 東伊豆町【第25回しずおか市町対抗駅伝】

11月30日に開催される「第25回しずおか市町対抗駅伝」。2024年も静岡県内35の市町すべてが出場しますが、人口の少ない町では、選手集めに苦労しているところもあります。伊豆半島の東海岸中央に位置する東伊豆町では、チーム存続の危機に直面しています。

「特に女子選手がなかなか集まらない。一般女子がいないということで、中学生・高校生で4名。誰か一人でも欠けたら出場できなくなってしまう」(東伊豆町 下山順一監督)

東伊豆町が直面している問題。それは、深刻な選手不足です。通常、しずおか市町対抗駅伝のエントリー数は21人、しかし、東伊豆町のエントリー数は18人。特に深刻なのが女子選手です。中学生以上の女子が走るのは、全部で4区間ですが、集まったのは4人ギリギリ。10区の一般女子選手がいないため、誰かが実業団選手や大学生と勝負する区間を担わなければなりません。さらに一人でも欠けたら、襷を繋げることができなくなってしまいます。

「(東伊豆町には)陸上をやっているというベースがない。特に長距離をやっている人がいないということで非常に苦しい」(下山監督)

そんな状況の中、東伊豆町のためにと集まった4選手。

「高校生として参加できる最後の年だったので、最後に町に貢献できるように出場しようと思った」(中西仁瑚選手)
「町のために頑張ろうと思った」(山本実玖選手)
「中学3年生としてチャレンジしてみたかったのと、町のために頑張ろうと思った」(宮下文乃選手)
「小学校からずっとこの駅伝に出るのが夢だったので楽しく走りたい」(山本ゆりか選手)

選手たちから出てくるのは、町のためという声。選手不足の影響もあり、近年では思うような成績が出ない東伊豆町ですが、それでも前向きです。

「非常に苦しいけど、町を代表してみんな参加してくれているので、町の人たちを元気にできるような大会にしたい」(下山監督)
「海の近くで練習している時に、よく地域の方が『頑張ってね』とか『速いね』とか応援してくれたのですごく勇気づけられた」(中西選手)

地元の人たちも選手たちの活躍を楽しみにしています。

「(選手たちが)町を出発する時は、バスに乗っていくのを見たりするけど、『頑張れ~』って応援している。子供が少ないのはすごくわかっているけど、その中で頑張って東伊豆町をアピールしてくれればうれしい」(男性町民)

子ども3人が選手として出場する山本実玖選手の母親は「子どもが3人いて、一番上が高校3年で、中学1年からずっと市町対抗駅伝に出ていて、次男もずっと出ていて、娘も3年ぶりに2回目を走る。『すごいね』って周りから言われるくらい。みんな気にかけてくれているのでうれしい」

「高校生がウェアを脱いで、ここから練習している。だから『頑張れ、頑張れ』っていつも言っている。けがしないようにみんなで頑張っていい成績を収めてもらいたい」(男性町民)

町の人の期待に応えるため、東伊豆町に元気を与えるため、選手たちは少しでもいい結果が出るように練習に励みます。

「最後の陸上の大会なので楽しんで走りたい」(中西選手)
「しっかり襷を渡せるように頑張りたい」(宮下選手)
「今までで一番いい結果を出してチームに貢献できるように頑張りたい」(山本ゆりか選手)
「町のために1秒でも早く襷を繋げられるように頑張る」(山本実玖選手)

少ないメンバー数ながら、チーム一丸となって臨む、東伊豆町。下山監督は「結果としてはそんなに上の方にはいけないけど、練習をやっていく中で、日々段々成長していく。力をつけて何とか駅伝を頑張って走りぬいてくれるという姿が本当に感謝。(今後も)できるだけ東伊豆でまとまって単独チームとして出場できたらなと思う」を前を向きます。

シズサカ シズサカ

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

あなたにおすすめの記事

RANKING