海外の旅行会社が依頼? 後を絶たない「白タク」のカラクリ インバウンド需要回復で観光客急増が背景に

静岡県熱海市などで、いわゆる「白タク行為」をした疑いで、指示役を含む中国籍の4人が逮捕されました。地元のタクシー会社は「安心材料の1つ」と話し、今回の摘発で違法行為がなくなることを期待しています。

道路運送法違反の疑いで、10月28日に逮捕されたのは、東京都江東区の職業不詳の男(52)らいずれも中国籍の4人です。

警察によりますと、容疑者の男らは2024年8月、中国人観光客7人を車に乗せ、都内のホテルから観光地を経由し、熱海海上花火大会の会場までいわゆる「白タク行為」をした疑いが持たれています。

2024年5月以降、静岡県警は、白タク行為をした外国人運転手を逮捕してきましたが、今回、指示役や仲介役の関与にまで踏み込みました。

今回摘発された中国人グループによる白タク行為の流れは、観光客が中国の旅行会社にアプリでツアーを申し込み、旅行会社が「指示役」に仕事を依頼します。指示役は「仲介役」に車の提供者とドライバーの確保を依頼。仲介役が複数人いる車の提供者とドライバーを調整し、外国人観光客を乗せ料金を受け取っていたとみられています。

年間を通して実施される「熱海海上花火大会」。地元の人によるとコロナ禍を経て、インバウンド需要が回復し、外国人観光客が増えているといいます。地元のタクシー会社にとって、花火大会の開催日は大切な書き入れ時です。その売上を違法な「白タク」に奪われていることに頭を悩ませていました。

<熱海泉都タクシー 原規公社長>
「お客さんはインバウンドでかなり増えてきている。(白タクが)客を熱海に連れてきて、伊豆を回って帰る。これは私たちにとって影響は大きい」

客がタクシーを1日利用した時の売上は、1台7万円から8万円。今回の摘発で白タク行為がなくなることを期待しています。

<熱海泉都タクシー 原規公社長>
「(摘発は)安心材料の1つ。野放しになって、白タク行為が非常に多くなってくると安全面のことがある」

静岡県警は今後、中国人による組織的な犯行の可能性も視野に全容解明に努める方針です。

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