10月3日夕方、浜松市中央区で突風が発生し、住宅などへの被害が相次ぎました。建物などの被害は少なくとも40件にのぼり、12歳の男の子がけがをしました。気象庁は機動調査班を派遣し、竜巻が発生した可能性も視野に調査を進めています。
<浜松総局 野田栞里記者>
「夜が明け、被害状況がより明らかになってきました。あちらにあったビニールハウスですが、100メートルほど吹き飛び、ぐちゃぐちゃになってこちらの民家に激突したということです。当時の風の威いがうかがえます」

農業用のハウスが家と車に覆いかぶさっています。周辺の住民は4日朝から被害の確認や片づけに追われていました。
<被害のあった家に住む人>
「どうなるのか、いまのところなにも考えていない。今後も住み続けるつもりではいるけど」
3日午後5時半すぎ、浜松市中央区で「突風が吹いた」などと消防への通報が相次ぎました。浜松市などによりますと、この突風により建物の屋根や壁などが壊れ、車が飛ばされるなどの被害が少なくとも市内15か所で確認されました。また、建物などの被害は少なくとも40件にのぼり、このうち被害の7割が住宅だということです。
<突風を目撃した人>
「最初、ゴーっという音がして、段々と渦巻、竜巻がこっちに向かってくるのが見えた」
この突風で当時自宅にいた12歳の男の子が割れた窓ガラスを踏んで足の指を切りました。

<けがをした男の子(12)>
「風呂に入っていて、急に地震みたい、雷みたいな音が聞こえた。(風呂から出たら)窓ガラスが散乱していた。怖かった」
<けがをした男児の父親>
「(帰宅して)扉を開けた瞬間に『あ、もうこれ住めない』って思った。瓦とかが舞ってたみたいで、ガラスと一緒に中をぐるぐるしたような感じ」

被害は、東名高速浜松西インターチェンジ付近からほぼ直線上、2キロから3キロに集中しています。被害を受け、気象庁は現地に機動調査班を派遣。この突風が『竜巻』だった可能性も視野に調査を進めています。
<静岡地方気象台 上清直隆次長>
「西部は地形の起伏がなく高い建物もない。竜巻や突風が発生しやすい場所であると言えます」
3日夕方、浜松市の周辺は発達した積乱雲の影響で、大気が状態が非常に不安定になっていました。住民によりますと、現場では視界が白くなるほどの強い雨が降っていたといいます。
気象庁の機動調査班は、壊れた家などの確認や住民からの聞き取りなどを行いました。調査にあたった職員は、南から北の方角へ風速39メートルから66メートルほどの強風が少なくとも市内2か所で発生したのではないかと述べました。
<静岡地方気象台 上清直隆次長>
「きょうはまだ大気の状態が不安定。今後も注意が必要」

また、このエリアから8キロほど離れた自動車整備工場でも被害が確認されています。気象台は急変する天候への注意・警戒を呼びかけています。