大雨による車の水没をどう防ぐか。静岡県内でも取り組みが進んでいます。静岡市は企業と連携し、接近していた台風10号から多くの車を守りました。

<島田支局 河田太一平記者>
「静岡市と焼津市を結ぶ国道150号線に来ています。ご覧の通り奥までずっと浸水しており、取り残された車はタイヤの上ほどまで水が来ている状態です」
静岡県内に甚大な被害をもたらした台風10号。静岡県焼津市では、大規模な道路冠水が「市内全域」で発生し少なくとも50台以上の車が浸水しました。
車の水没を防ぐため、静岡市駿河区のパチンコ店では、立体駐車場の一部を避難場所として開放しました。

<新日邦スーパーコンコルド 宮川友斗マネージャー>
Q. 避難エリアは?
「大体、台数が45台から50台くらいの区画になっています」
Q. どれくらい車が来た?
「当日は200台以上の台数が。4階全部が埋まるような感じ。1台も空きがなく」

パチンコ店の運営会社は2024年5月、災害時などに車の避難場所として市民に駐車場を貸し出す協定を静岡市と結んでいました。
8月27日の午後、車の受け入れを始めたところ200台以上が避難し、店は屋上も開放するなどして24時間体制で対応したといいます。
静岡市の企業は車を水に浮かせることで水没を防ぐシートを開発しました。

<篠原大和記者>
「大雨で駐車場が浸水した想定の実験です。車が水に浮いていますが、特殊なシートで車への浸水を防いでいます」
小野田産業が開発した「SAM―CS(サム・カーシート)」です。
車の下の部分に吸盤で取り付ける緑色の「防湿気密シート」はポリエチレン素材で、車が浮くほどの高さまで増水した場合でも中に水が入るのを防ぎます。
全体をビニールシートで包む2重の構造で、オプション品の固定バンドを使用することで、水に浮いた車の漂流、他の車などへの衝突を防ぎます。

<小野田産業 小野田良作会長>
「女性1人で設置できるのが最大の売りです」
台風10号による被害を受け、問い合わせが3倍から4倍ほど増えたということです。では、車が水没してしまったときはどう対応したらよいか、JAFに聞きました。

<JAF静岡支部事業課事業係 永谷和俊係長>
「水没したら、まずはエンジンをかけないようにしていただきたいと思います。車にはいろいろな電気回路があります。バッテリーも積まれています。水も電気を通しますので、ショートしてしまう可能性がある。最悪、火が出る可能性もありますので、通電させないようにしていただきたいと思います」
災害から大切な車を守るためには情報と準備が欠かせません。