いわゆる「タケノコ発言」で、沼津市の市議会議員が議会から「出席停止」などの懲罰処分を受けた問題で、静岡県はこの処分を取り消す決定を下しました。
これに対し、市議会側は「自律権に踏み込んでいる」と県の決定を非難しました。
<江本浩二 沼津市議>
「このほど、私に対して沼津市議会が行った懲罰処分の取り消しが、静岡県によって決定しました。このことは大変喜ばしいことであります」
8月13日、会見を開いた江本浩二沼津市議。市議会からの懲罰処分が県によって取り消されたとあって安堵の表情を浮かべました。
この問題は2023年9月、江本市議が沼津市議会の中で「市の土地でタケノコを採り販売して利益を得ている」と受け取られる発言をし、市議会の懲罰特別委員会が「議会での陳謝」が科したものの、江本市議が拒否したため、「1日の出席停止」の処分を下したものです。
江本市議は、この懲罰を不服として当時の川勝知事に対し、処分の取り消しを求める審決の申請をしていました。静岡県は江本市議を呼んで意見を聴くなど審決を行い、沼津市議会の懲罰処分を取り消す判断を下しました。
一方で、江本市議に対し今後、疑念を持たれるような発言に配慮することを求めました。
<江本浩二 沼津市議>
「(発言への配慮については)今後、議員としてやっていく上では、こういうことをしっかり配慮しながらやっていった方がいいですよというアドバイスと受け止めている」
一方、沼津市議会の高橋達也議長は、議会の自律権に踏み込んだものであり、遺憾だと県の決定を非難しました。
<沼津市議会 高橋達也議>
「『(江本市議の)言葉の選択は適切性を欠くと言わざるを得ない』と付言されているが、適切性を欠くとしながら自律権に基づく懲罰に適法性が認められないとしたことは、甚だ疑問であります」
また、提訴について問われると、高橋議長は今後、慎重に検討していきたいとしました。