モネやゴッホ、ルノワールも…「西洋絵画の400年」を旅する展覧会 国内最大級の西洋絵画コレクションが静岡に=静岡市美術館
東京富士美術館が収蔵する西洋絵画を紹介する企画展が静岡市美術館で始まりました。16世紀イタリアルネサンスから20世紀の近現代美術まで西洋絵画400年の歴史が分かる展覧会になっています。
静岡市美術館で開催中の展覧会「西洋絵画の400年」。クロード・モネやゴッホ、ルノワールなど日本でもよく知られる人気画家の作品が並びます。
<水野涼子アナウンサー>
「絵画には肖像画、風景画など、さまざまなジャンルがありますが、16世紀から19世紀にかけて、その中でも高尚なジャンルとされていたのが、神話、史実などを描いた歴史画です」
この展覧会のテーマの1つが絵画の「ジャンル分け」と「ランク付け」。
こちらは歴史画の1つ、ナポレオンの伝説「アルプス越え」の場面です。馬にまたがりマントをなびかせる姿がナポレオンのイメージ形成に重要な役割を果たしました。
<静岡市美術館学芸員 深尾茅奈美さん>
「ルネサンス以降、芸術というのが学問に近い、非常に知的な分野と考えられていたので、知識や教養が求められる絵画ジャンルほど非常に重要度が高いと考えられてきた。歴史画を描くためには聖書や神話、歴史に関する知識も必要で、難易度の高い重要な絵画ジャンルと考えられていた」
歴史画の次に高く位置づけられていたジャンルが肖像画です。
この男性と一緒に描かれた豪華な金時計。徳川家康公の金時計ともよく似ていますが、豊かな財力が感じられます。肖像画には権力・富の象徴としての役割もありました。
こちらはイングランド王の宮廷画家ヴァンダイクの作品。伯爵夫人の美しさが際立ちます。ヴァンダイクの作品は日本で目にする機会が少なく貴重です。
<水野涼子アナウンサー>
「第2部は19世紀から20世紀、近現代の絵画です。この時代になると、作家それぞれが自由な表現で描き、決まり事のない世界になっていきます」
こちらはクロード・モネの「睡蓮」です。
<静岡市美術館学芸員 深尾茅奈美さん>
「こちらは睡蓮の池が描かれているんですが、とても柔らかなパステルカラーの色味が目を引きます。スケッチのような荒い描き方が特徴。自分自身が見て感じ取った色の印象を描こうとしました。物の形や細部には関心がはらわれていなくて、色の表現に力が入れられている」
19世紀から20世紀にかけて、作家それぞれが自由な表現で絵を描くようになりました。
こちらはルノワールの作品。やわらかな色彩とタッチが女性の優美さを表現しています。西洋絵画の国内最大級のコレクションを通して、その歴史を見ることができます。
<静岡市美術館学芸員 深尾茅奈美さん>
「一度は名前を聞いたことのある画家たちの作品をたくさん見ていただくことのできる展覧会になっています。西洋絵画400年の歴史を旅するような気持ちでご覧いただきたい」
この展覧会は、9月23日まで開かれています。
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